かとかの記憶

タニス・リー 通読 / 34

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ヴァンパイアリー

Volkhavaarのバルバヤートは作中で明確にvampireと呼ばれて血を吸うけど、一般的なイメージでいう「美形妖魔、夜の貴族、カリスマ…」というのには当たらない。逆に、吸血行為はしないでもヴァンパイア的属性をいうなら、ヴァンパイアリーとかヴァンパイアリズムと呼んだ方がいい。
もともとヴァンパイアというジャンルが百年以上は頽廃しているからだが、リーのようなそれに重い興味のある作家を扱うにおいてヴァンパイアタグを設けても全作品がなんらかそれに当たるだけで、用をなさない。

アズュラーンは血を吸わないが他のことはなんでもやるし、シルヴァーだって「ヴァンプ気質の不良ロボ」だろう。Shadowfire頃にヴァズカーのときは「カリスマ」を取り上げていたが、ヴァズカーもマインドコントロールだけでなく、女たらしだ。

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    katka_yg 2025/04/26 (土) 22:18:54 修正 >> 34

    シルヴァーのどこが不良品と作中で言われていたか、それは忘れたけど、セクサロイドが違法でない世界でも、そのお仕事をするキャラクターが一目みてそれとわかる、ポルノ的な下品で不潔な見た目なら、その用向きのお客は自分の趣味と責任において押すか引くか決めるだろう。

    それが、育ちのいい純な少女を恋してたらすほど見境がなく魅力的であってはならない。80年代の時代もあって、たぶんシルヴァーには「R-18が付いてないこと」が「不良」と呼ばれるゆえんか。

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    リーはそれとしても他の作家や、小説にかぎらず民俗や神話研究を蒐めるときに何かの基準を設けないでは始まらない。

    ヴァンパイアリズムでなく、吸血にかぎる、あるいは「血」のシンボリズムに着目するのはありかな。一文字で短いのはタグとしていい。これだと、バルバヤートは含む。

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    「血」を設けた、これで行けそうだ。phelenみたいなテンプレキャラクターの集団を扱うのに「吸血鬼」はむしろ悩まないで真っ先に決めたのを思うと、シチュエーションの違いで面白いな……。また、こうした情報操作は常に一様の基準ではなく、そのつど目的に応じて考え直す必要がある、それは「命名」を求める、というのもあらためて確かめる。