かとかの記憶

泣いたってなんにもならない / 2

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ヴレは生贄を見せたのち、男児に近づいて、額に熱く赤い血を塗った。幼きコルリス・コルフレンはひるまず、泣き声も上げなかった。鉄の脚を持つ厳父に育てられるうちに、泣いても詮ないことと学んでいたのだ。
(『薔薇の血潮』)

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