かとかの記憶

野阿梓 通読 / 60

60
katka_yg 2026/05/31 (日) 12:11:18 修正

『黄昏郷』(1994)読了。順序もどって、つぎ『緑色研究』へ。

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     伏せた眼の下にふくれた涙堂が、泣きぬれた少女のような表情をつくって、作為のまったくない、しかしどんな作られた媚態よりもなやましいその貌は、雅本人には判らぬ危険なまでに美しい罠だった。

    いや作為ありすぎだろう。作為的すぎる。

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    最初から全力でやおいに走っているのに『作為のまったくない』と言い切るのに変な面白さを感じてしまったが、そのくらいなら、しばらくまた野阿作品も脇において一、二か月くらい遠ざけておくべきかな。

    それとまた、ここもそうだけど、わたしは美少年のことを語られるのに『少女のような』と表現されるのが、今になってもいまだにカチンとくる。これは伝統なので、とくにそこに引っかかる必要はないとわかっているけどね。

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    不自然さ・おかしさではなくて、まさにそういう表現――表現より、思想のことを、「やおい」という。いった、と思う。

    『そんなわけないだろう』と思われながら、そういうものとして行われる。多少のリアリティは、マジカルなリアルでさえなくても、趣味嗜好を先に淫してよい。現代思想としてはメタフィクションよりはやおいの方が興味あるが、ことばとしては今はもう死語だし、その意味でなければBLの方が今は通る。

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    katkaさんの感想・レビュー
    katkaさんの野阿梓『黄昏郷』についてのレビュー:本作は直接には『五月ゲーム』(1992)の舞台とテーマを引き継いで...
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