かとかの記憶

夢記 / 28

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だいぶ日が空き、昨夜は鮮やかな夢が戻ってきていた。夢の内容は映画で、アクションホラー新作のそれを見ているところ、中に入って体感しつつ、映画の細部を自由に書き替えることもできる。

新進若手の監督なにがしの触れ込み付きで、ゾンビバトルものの定型をなぞる、ありがちなテンプレは全部やってアクションは物凄まじいというもの。わたしはその言いのジャンルが普段嫌いなのだが二時間ほどのストーリーの後半ほどを目ざめてからも記憶で追い直し楽しめた。山間の集落を謎の奇病が襲い、やがて人間とゾンビ集団の生き残りバトルになる。人間側は群像。トリックスターとして振る舞う狂気の天才は人間を見限ってゾンビ側につくが、人と人外の戦いの間に、ちらほらと古代の吸血鬼や妖精伝説の復活が混じる。

残虐なところや、人の顔に蝿が群がるところなどはわたしの想像力では想像できないことだが、夢がやってくれる。滅亡から長い時間が経ち、妖精の貴族達が様々の時代の装いの馬車や牛車を催し、黄金の夜明けに行進していく。映画中ではキャーキャーかしましい少女達だった三人の娘は老婆になっていて行進の後を徒でとぼとぼとついていくのが後ろ姿になる。かつての戦場に葬られない遺骸が朽ち果てて残り、狂青年のプロテクタースーツの胸郭が砂中にわずかに覗いている。

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    katka_yg 2025/07/22 (火) 08:45:06 修正 >> 28

    書き忘れるところだった、夢の中で、「この夢映画の登場人物に名前をつけてはいけない」ルールにあらかじめ気づいており、なぜかというと、「名前をつけること」をすると夢を見ている自分が覚醒時の身体モードに切り替わり、夢の状態を保てない、目ざめて夢の記憶も消えてしまうのがわかっていたから。同じように、呼吸法を試して数を数えると意思のコントロールに入って夢を見ていられなくなる。映画は息をつめて見る、も。