矢島文夫『ヴィーナスの神話』(1970)読了。1970なので古いといえば既に半世紀だが、役に立つ。
矢島文夫氏の著書を読まれるのはふつう『ギルガメシュ叙事詩』と『世界最古の物語』の邦訳だろう。それが現在どういう興味の人が手に取るのかは分かるけど「ギルガメシュ叙事詩」はいきなりに臨んでわかるものかは疑問だ。
近年の読者ならゲームに出てくるようなその話が、教科書に載っているような書名とはいえ、その文を高校生くらいで無手で挑んでもどこが面白い物語なのか、これがどういう経緯で現代に価値があるのかは、ぴんとこないことがあるかもしれない。
ともかく手がかりを得てそこから関心を広げていくには、むしろこの『ヴィーナスの神話』の本がわたしは幅広い関心に点火する、起爆剤になった。言語学の入門編にはならない。
この中に挙がっているタイトルから過去にわたしの興味があったものを抜き出すと、
- ギルガメシュ叙事詩
- バッハオーフェン『母権論』
- フレイザー『金枝篇』
- S.N.クレイマー
- コンラット・ケルレル『家畜系統史』
- エリアーデ
- 石田英一郎『桃太郎の母』
- 柳田国男
- ピエール・ルイス『アフロディテ』 ■
- アラビア古詩歌(ムアッラカート) ■
- 『ライラーとマジュヌーン』
- 『千一夜物語』
- ルージュモン『愛について』
- グレーヴス
わたしは、金枝篇や千一夜物語はこれよりは前に他の経緯だったと思うけど、上の辺りはここらから参考文献リストをたぐった跡みたいだな……。いずれもそれなりに古いのは当然だろうが、ピエール・ルイスなどは最近も読み返していたね。
この次は、もとに戻ってインドの続き、十王子物語か鸚鵡か……。エリアーデは暇潰しのように置いているが、再読継続中。別トピックで思い出したのでライラーとマジュヌーン。クレイマー『聖婚』を読み返したいけど、併読が多すぎる。
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