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ゴールド(金)相場について / 374
【昔書いたエッセイ・帰国後にGFSで2021年か2022年に発表済み】※絵に描いたように当たってるのをみつけたのでコピペ。グラフは省略。
ゴールド大相場の可能性は?!
ゴールドが値上がりする条件が揃ってきた。
第一に、経験則では高金利はゴールドの大相場を誘発する。第二に、ドルへの信認が揺らいでいるが、これはゴールドにとっては追い風となる。第三はチャートパターンだ。仮に、ゴールドが2075ドル抜けをすれば、「カップ&ハンドル」という典型的な上昇相場のチャートパターンが完成することになる。
(世界経済の不透明性)
ゴールドは世界経済に不透明感が高じたときに、資金の逃げ場として買われる。現在、世界経済はウ戦争や疫病の拡大または原油や金利高の継続など、複数要因による不透明感が高まっている。
コロナ禍で世界的に景気は停滞し、失業率は上昇した。コロナ禍がいつまで続くかもわからないし、国際間では、米NATOとロシアの代理戦争であるウ戦争、米中間では半導体など軍事に直結する先端技術を巡る緊張が続く。
グラフ①は長期(約70年)のFFレートと米国都市部CPIだ。FFレートが上昇すれば、当然、インフレ率は下落しはじめる傾向にある。しかし、FFレートのピーク後、数ヶ月して経済は景気後退へ突入する。特に、住宅ローン金利の上昇は経済全体に大きな負のインパクトを与えるし、クレジットカード金利の上昇は米国最大のGDP構成要素である個人消費にブレーキをかける。
そして、過去においては、ゴールドは景気後退期に高まった不透明感を材料として上昇してきたのだ。例えば、70年代の米国の不景気期にはゴールドは大きく上昇した(グラフ②)。
今回、FFレートのピークアウト後は、景気後退(リセッション)入りする可能性が高いと考えられる、この局面で流動性が向かう先はゴールド市場かもしれない。
グラフ① CPIとFFレート
グラフ② ゴールド価格
米国の住宅ローン金利はグラフ①のCPIに沿って上昇中だし、若干は低下したとはいえ、2018年の4.94%前後レベルよりはずっと高く維持されている(グラフ③)。住宅ローン金利上昇は2022年Q3以降の住宅価格へ負の影響を与えている。
グラフ③ 30年住宅ローン固定金利
(米ドルとゴールド)
ゴールド価格は、通常、オンス(重量)当たりの「ドル」で表示される。したがって、ドルが弱くなればゴールドは上昇することになる。したがって、ドルが弱化すれば、ゴールドは上昇することになる。すなわち、米経済に不透明感が漂えば、ゴールドは上昇するのだ。
グラフ④ 長期のドルインデックス(USDX)チャート(四半期ベース)
グラフ④をみる限り、ドルは長期目標の115ポイントを達成し、88~92ポイント水準へ下落する波動にあると言えよう。上のRSIでもRSIが70でドルは天井を付けている。
(中国の動き)
ペトロダラー体制が揺らいでいる。ペトロダラー体制とは、1974年以降、米国がサウジアラビアと創設した枠組みで、石油とリンクされたドル、あるいはそれに基づく米国の覇権を言う。つまり、原油はドルで表示され、ドルでしか購入できないというのがペトロダラー体制だ。しかし、中国はインドからの原油輸入の一部を人民元で実施しはじめた。
2022年第3四半期、世界の中央銀行は合計で399トンの金を購入したが、内300トンのまとめ買いをしたのが中国だった。他にトルコが31.2トン、ウズベキスタンが26.1,インドが17.5トンを購入していたことが判明した(出所:World Gold Council)。
中国は2015年に600トンの金を購入したことがあるが、爾来、外貨準備からドルの持ち分を減らし、金備蓄に確実に乗り換えている。また米国債の保有を減らし、米国債残高は1兆ドルを割り込んで、22年6月末の保有額は9806億ドル(なお、日本は1.1兆ドル強)へ減少した。
中国の狙いは、将来のデジタル人民元を裏付ける金の保有だろう。習近平はサウジアラビアに対して、決済手段として人民元建てを要求したことには、サウジ外相が「時期尚早だ」と否定したという会見がなされたが、表向きの発表とは裏腹に現実には通貨スワップなど別枠手段での実現が近いのではないかと推測される。
現に一帯一路プロジェクトでは人民元とのスワップを実施している国があって、ロシアからの石油とガスの決済はルーブルと人民元で行われている。
中国を先頭に、2022年、各国中銀は金備蓄を顕著に増加させた。各国の金備蓄一覧(22年10月)は以下である。なお、中銀以外の民間での金保有はこの表に含まれないが、中国やインドでは歴史的経験から個人部門の金保有が非常に多い。
表① 各国の金備蓄(トン)
米国 8733トン
ドイツ 3355トン
IMF 2814トン
イタリア 2451トン
フランス 2437トン
ロシア 2299トン
中国 1498トン
スイス 1040トン
日本 846トン
インド 786トン
(カップ&ハンドル)
カップウィズハンドルとは、「オニール投資法」として広く知られるチャートパターン「Cup with handle」で、大化け銘柄のチャートパターンのこと。頻繁に現れる買いシグナルとされる。ゴールドの長期チャートで「カップWITHハンドル」が出現している。
グラフ⑤ ゴールドのカップ&ハンドル
(ブレークアップポイントの予想)
現在、ゴールドは1900円前後でもちあっている。
長期でみた場合、大きな節である2075ドルを抜ければ、ゴールドは「大きな強気相場」へ転じる。その後は、反落を交えながら長期の強気市場が始まるだろう。上値目途は現時点では無い。
過去の経験則から、景気に不透明感があって、金利が上昇すれば、数ヶ月のラグをおいてゴールドは上昇する。グローバル経済へのコロナの影響は長引く見込みで、現在の金利は上昇傾向にある。経済全体への不透明感はドル安要因となり、ゴールド上昇の要因のひとつだ。
投資はETF(GLD, Spider Gold Trust)他を通じて、ポートフォリオのゴールドへのエクスポージャーを増やすことが出来る。