「このラッパで何をするつもりであったか。言え!」暴君リッターは静かに、けれども威厳を以って問いつめた。その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
「ナワバリを暴君の手から救うのだ。」とボールドは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」とボールドは、いきり立って反駁した。「他人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、イカちゃんのマンメンミをさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。他人の心は、あてにならない。イカは、もともと自己顕示欲のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「なんの為の平和だ。自分のリザルトを守る為か。」こんどはボールドが嘲笑した。「射程の無いイカをキルして、何が平和だ。」
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凍結されています。
ボールドには友人がいた。パブロンティウスという、隣町の石工だ