- Gray Traveller
- 721
- 726
最新トピック
731
8 日前
Gray Traveller 8 日前
0
22 日前
マシェリ・バスト・ダイ 22 日前
25
26 日前
双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~ アキラ√ 26 日前
31
5 ヶ月前
にしまい! 5 ヶ月前
55
7 ヶ月前
双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~(※無印併用スレ) 7 ヶ月前
2
8 ヶ月前
月の名を継いだのなら 8 ヶ月前
45
1 年前
闇の女子旅 -森林編- 1 年前
5
1 年前
ソードオフ・ポップ・ロック・メモリー 1 年前
98
1 年前
CDトースターズ カオスジェネレーション:白の時空 1 年前
8
1 年前
忘却あれ。 1 年前
31
1 年前
てすとの名は 1 年前
18
1 年前
Voyage 1 年前
4
1 年前
Café -Deux Noirs- 1 年前
2
1 年前
隙間録:たったひとりの最終決戦 1 年前
20
1 年前
師匠のグルメ 1 年前
40
2 年前
奇名組スレ 2 年前
34
2 年前
フリードラマ用トピック 2 年前
49
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.ティネル 】 2 年前
31
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.ゼフィリーヌ 】 2 年前
47
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.第0護衛兵 】 2 年前
115
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.マールーシャ 】 2 年前
48
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.魚雷ガール 2 年前
33
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.サナトリー 】 2 年前
1
2 年前
AIさん誕生秘話 2 年前
43
2 年前
-Pathetic Clown's Fate- 2 年前
73
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.マカオ&ジョマ 2 年前
26
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.アルフレッド 2 年前
18
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.グワンド 2 年前
12
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.黒岩満 2 年前
89
2 年前
勇者王の試練 -失われし聖剣を求めて- 2 年前
56
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.ムスカ 2 年前
9
2 年前
ベンチ① 2 年前
24
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.シャルロッテ・クールホーン 2 年前
10
2 年前
-深淵- 668層 2 年前
23
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.ルナ・ドーパント 2 年前
61
3 年前
らすとりぞーと学園 3 年前
46
3 年前
ワイズ大爆笑 3 年前
15
3 年前
"K" -奴の名は- "Chapter 3" 3 年前
11
4 年前
罪業の刻印 -ブリーフィング- 4 年前
7
4 年前
ダイ・コントーンvsゼローグ 模擬戦 4 年前
7
4 年前
【日常】某国某所喫茶店【野良枠】 4 年前
30
4 年前
"K" -奴の名は- 4 年前
「貴方が持ち帰る分には、彼は何も言わないでしょう」
「一度の対話でしたが」
「私の根底を揺るがすような芸術を見せつけた彼です」
「彼がどのような思いを持ち、今の貴方を見てどのような顔をするかだなんて」
「自ずと分かるに決まっているではありませんか」
手元の肖像画を、透明の軌跡へと再び差し出す。
陽光そのものを閉じ込めたような笑顔。
見る者の記憶さえ照らし出すような、太陽のような輝き。
それは、描かれた少女の表情というより――彼女を見ていた誰かの眼差しまで描いた絵だった。
そんな絵画と、彼はしばらく見つめ合う。
やがて、ゆっくりと目を伏せた。
「俺が受け取る資格はないだろ……」
「まだ、自分の芸術を表現するだけの『利己』を持ち合わせちゃいないんだ」
その言葉とともに、視線が横へ滑る。
そこにあるのは、空白のキャンバス。
白い面だけが、無機質な照明を受けている。
そこには、何かを描こうとした痕跡すらなかった。
筆跡も色彩もない。線一本すら存在しない。
ただ、何も描けなかったという事実だけが、真っ白な画面の上に残されている。
空白とは、何もないことではない。
描けなかった者にとっては、描けなかったという事実そのものが、何より雄弁な証明になる。
彼はそこへ視線を置いたまま、自嘲するように口角を僅かに吊り上げた。
「……そうですか」
その笑みに対する応えとして、ドルドインは再び目を伏せ、小さく笑った。
「貴方の望む答えは得られましたか」
「さぁな……でも、なんだろうか」
声には、先ほどまでとは僅かに違う響きがあった。
答えを得たわけではない。
むしろ、分からないことが増えたのかもしれない。
それでも――何も知らなかった頃とは、明らかに違っていた。
その笑みを浮かべたまま、アトリの絵画へ視線を置く。
少女は変わらず笑っている。
ただ、いつか来る「いつもの日」を待つように。
彼は、寂し気に口角を上げる。
「この子の事を知っていれば」
「忘れる、なんてこと、なかったんだろうなって思う」
「そう感じられただけでも」
「良かったかな」