※参加型となるかは未定ですが、現状は非自由参加型となります。ご理解ご了承のほどよろしくお願いします。
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ここは、魔導騎士の候補生たちが集う学園。全国の学生伐刀者たちが集められ、その力を正しく伸ばし正しく用いるために日々切磋琢磨する。
この日、学園の校舎前はいつもと違うざわめきに満ちていた。それは登校してきた見慣れぬ男子生徒の姿が起因している。
学園の制服に身を包む彼は、注目されているのが気に入らないのか不機嫌そうな表情で歩いていた。つんつんとした黒髪とツリ目が生意気そうな印象に拍車をかけている。
そして何より注目を集めていたのがその身長の低さだった。およそ150㎝ほど────周囲の男子生徒はおろか、ほとんどの女子生徒よりも低い背は彼の幼さを何より雄弁に物語っていた。
彼の名は"ショウ"────新しくこの学園に編入してきた男子生徒。年齢は12歳で中等部1年相当だが、その伐刀者としての能力の高さを見出され高等部1年生として編入した。伐刀者ランクは"B"────驚くべき実力者だ。それらの情報は事前に通達されており、ほとんどの生徒はそれを知っていた。
だが話に聞いていただけよりも、実際に見ると明らかに子供の体躯であるからみな注目していた。
女子生徒たちは所々で「かわい~」などと言ってはしゃいだり、男子生徒たちは「おいおい、本当にあれがBランク伐刀者か?」「ガキじゃん」と疑問や嘲笑の目を向けていた。
ショウ「チッ…… (どいつもこいつも人のことをジロジロ見やがって……明らかに舐めてやがる)」
ショウは自分を見る視線にいちいち睨みを利かせながら、イラついた様子で足早に歩いていく。
「―――おい、止まれ。ガキがこの校門を通っていいと思ってんのか?」
ざわめきの中から現れた、大柄な男がショウを呼び止めて立ち塞がる。
その男子生徒は目つきが鋭く、筋肉質な体躯に威圧感を漂わせながらショウを見下す。
「テメェみてえな弱そうなガキが、Bランクで、俺様と同級生として編入だあ? 馬鹿も休み休み言いやがれってんだ。そんな事許しちまっちゃあ、この学園の格が落ちちまうだろ? わかったらさっさとまわれ右してお家に帰んな」
「―――痛い目みない内にな。」
本来、『学生騎士』は能力の使用を厳しく制限されており、先生の許可なしに能力を行使することは認められていない。
はずだが、男子生徒は魔力光を帯び、巨大な戦斧の《霊装》を顕現させた。
どうやら本気のようだ。
ショウ「────あ゛?」
目の前に現れた大柄な男子生徒に一切怯むことなく睨み返し、霊装を出したのを見て「ハッ」と馬鹿にしたように笑った。
ショウ「────良いねぇ、みんなお前みたいに分かりやすけりゃ話が早いんだけどな」
ショウ「いい加減イライラしてたんだ────ストレス発散させてもらうぜ!」
眩い翠色の光と共に、徐々にショウの霊装が顕現する。周囲に風が吹き荒れ、その霊装の持つ魔力の高さを物語る。
その手に現れたのは黄金の大剣。牙を剥いた龍が螺旋を描いて巻き付いている。
厳めしくも、どこかで見かけたことのあるデザインだ。
「ブッ―――」
男子生徒は、ショウが顕現させた黄金の大剣を見て吹き出し、
「ぶはははははは!! おいおい、なンだよその霊装はよォ!!」
「修学旅行で買うキーホルダーかっつーの! いやいや、分かるぜ? 俺様だってガキん頃は買ったことあるからなァ~!」
目尻に涙を浮かべながら大笑いした男子生徒は戦斧を振りかぶる。
「やっぱガキは身の丈にあった場所でお勉強しとくべきだと思うぜ……その魔力量だってハッタリだ。つうか、年上には敬語、な?」
「分かったらとっとと失せやがれ、ガキがぁぁあぁあぁ!!!」
戦斧を振り回して突撃し、上段に大きく振りかぶった戦斧を殴りつけるように振り下ろした。
ショウ「ピキッ────(額に青筋が走る)」
ブオォンッ────!
男子生徒の振るった霊装は、しかし目標を外れショウの真横に振り下ろされる。
ショウの周囲に舞う風の魔力によって、戦斧の軌道が逸らされたのだ。
ショウ「……さっきから聞いてりゃぁガキ、ガキ、ガキ、ガキ────(怒りに震える手で霊装の大剣を両手で振り上げる)」
ショウ「────テメェも俺と3つしか違わねぇだろうがぁぁぁぁぁああああああ!!!(ブチギレ)」
ズドォォォォオオオオオンッ!! グォオオオオオオッ────!!(強大な魔力を纏って振り下ろされた大剣は、前方に竜巻を発生させて巻き込んだ対象を魔力の風刃によって激しく切り刻みながら吹っ飛ばす)
「ぐぉおぉぉおぉおぉおぉッ――――――!!?!?」
男子生徒は竜巻に巻かれ、風刃に切り刻まれながら吹き飛ばされ学園の壁に打ち付けられる。
「かッ……!」
幸運なことに幻想形態で放たれた攻撃により、男子生徒の精神力が赤く光る魔力光―――血光として吹き出し、たまらず膝をつく。
「ハァ……ハァ……! 俺様が、ガキに……膝をつかされただと……? この俺様が……!」
大量の脂汗を額に浮かべながら、ショウを睨みつける。
しかしその瞳には同時に圧倒的戦力差を見せつけられた恐怖も湛えていた。
ショウ「テメェ……まだガキ扱いすんのか、いい度胸だなァおい……(ビキビキ)」
怒りを露わにしながらゆっくりと歩き、男子生徒の前に立ちはだかる。
膝をついた男子生徒をショウが見下ろす形となり、奇しくも先ほどと真逆の構図になる。
ショウ「ハッ────小せぇなぁ、えぇ?」
自身が相手を見下ろす形となり、やや機嫌がよくなったのか笑みを浮かべながら再び大剣を振り被る。
ショウ「テメェと俺、どっちがガキなのか……そのバカでかい図体に教えてやる─────!」
「ゴ…………ごふッ……う゛ゥ……!」
巨躯の男子生徒の呻き声と鈍い音が、数回、数十回にわたり響き渡る。
朦朧とした意識の先に、ついに大剣を振り被ったショウの姿を見上げる。
「……ッ! や、やめ……ッ」
「お、おい……誰か止めた方がいいんじゃないか……?」
「じゃあ、お、お前止めて来いよ……」
「い、いや、俺は……」
周りの生徒の視線は一点に集中し、まるで凍りついたようだった。
誰もが心の中で「止めるべきだ」と思っているが、誰一人として動けない。
手のつけられない圧倒的な暴力がもたらす恐怖と無力感が、その場を支配していた。
その時だった。
ピンク髪の少女「ちょちょちょ、すとぉーーーーっぷ!!」
人混みを割って飛び出したのは、明るいピンク髪の少女だった。
彼女の髪は柔らかく内巻きにカットされており、髪の一部はさり気なく耳にかけられてピアスの存在を主張させる。
ヘアピンもシンプルながら華やかさを添え、彼女のスタイルにぴったりなアクセントを加えていた。
短く折られたプリーツスカートに、豊かな胸を誇るように張らせたシャツの上にパーカーをラフに着こなす少女はそのままショウと男子生徒の側まで駆け寄って行き、
ピンク髪の少女「そこまでそこまで! マジなにやってんの!?」
ショウ「─────はァ?」
手を止め、少女の方を向く。怪訝な表情はすぐに侮蔑するような皮肉じみた笑みに変わる。
ショウ「あぁはいはい、お節介女の登場ってわけね……w お前、こいつと何か関係あるわけ?」
大剣を下ろし、片手で持ちながらもう片方の手で男子生徒を指差す。
ショウ「何も関係ねぇなら黙ってろよ。これは俺が売られた喧嘩、決定権は俺にあんの。お分かり?」
ショウ「それとも……力ずくで止めてみるか?」
"できるもんならな"、とでも言いたげな人を小馬鹿にするようなへらへらした様子でピンク髪の少女を見る。
朗らかな笑顔を浮かべながら、少女は軽やかに言葉を紡いだ。
ピンク髪の少女「力ずく? あはは、ムリムリ! だって君が噂のBランクくんでしょ?」
ピンク髪の少女「ウチってDランクだから絶対勝てないし!」
その気安い態度から、彼女が黙っているつもりなどまるでないことが伝わる。
ピンク髪の少女「でもこれだけは言っとくね―――」
彼女の声はわずかに固くなり、真剣な響きを帯びる。
ピンク髪の少女「―――今の君、ちょーカッコ悪いし。来て。」
ショウの手を半ば強引に引き、ひとまずその場から離れようと校舎裏へ歩き出す。
「あ、フランソワちゃんと武山くん、彼のことよろ!」その際に、見物していた周囲の生徒に負傷した男子生徒を介抱するよう呼びかけた。
ショウ「あっ、ちょっ……何だよ、おい!」
ピンク髪の少女に強引に手を引かれ、たたらを踏んで歩き出す。本気で抵抗する気も無いが、素直についていく気も無いといった感じの抵抗具合だが、引く手からショウ自身のフィジカルはあくまで年齢・見た目相応であることが伝わる。
ショウ「────いい加減離せって!」
校舎裏まで連れて来られ我慢の限界に来たのか、無理やり気味に少女の手を振り払う。
ショウ「んだよ、ただのお節介かと思ったらお説教までする気か?んな派手なナリしといて学級委員か何かかよ」
じろりとピンク髪の少女を睨む。
ショウ「言っとくけどな、アイツの方から喧嘩売ってきやがったんだ!そんで俺はその喧嘩を買っただけ!外野からどうこう言われる筋合いねぇからな!」
ピンク髪の少女「―――っとと! あはー、そんな照れなくていいのに~」
手を振り払われ、友好的に笑んだまま両手をひらひらさせる。
「たは!ウチが学級委員とかそのクラス終わるし笑」とツッコミを返しながら再びショウと向き合う。
ピンク髪の少女「ん~、まぁそうなんかも知んないけどさ? アイツ素行悪いからいっつも悪目立ちしてるし。 でもね~な~んか、な~~んかウチが見てて嫌だったって言うか~……」
ピンク髪の少女「……似合わない……そう、“似合わない“んだよ!く~っシックリきた!ウチの語彙まじ鬼天才すぎる!」
ピンク髪の少女→帆南「てか自己紹介してなくない? ウチ、水澄帆南(ミスミ ホナミ)! キミ1年に編入するんだよね?だったら同じクラスかも!ね~名前教えて~!」
ショウ「はぁ?意味わかんね。勝手に一人で納得してんじゃねーよ」
ピンク髪の少女の言葉に呆れたような顔で毒を吐く。友好的に接するつもりは無いようだ。
ショウ「はいはい、ミスミね……。 ……ショウだよ。気やすく呼ぶなよ、お友達だと思われちゃ迷惑だからな」
面倒くさそうに言い放ち、さっさとその場から離れようとする。
彼女はショウの態度に少しも動じることなく、友好的な表情を崩さない。
その瞳には好奇心と少しの挑戦心が輝いていた。
帆南「へー、ショウくんって言うんだ!覚えた!(ショウが口にしたことを早速無視し名前を呼ぶ)」
帆南「てか、お友達と思われちゃ迷惑ね~~。そんなこと言われちゃ余計に燃えちゃうんだけどな~?(腕を組みながら少々イジワルそうに口角を上げながら)―――ちょいちょい、もー行っちゃうの?\ キーンコーンカーンコーン /ってヤバ!予鈴だし!ウチも行かなきゃ……んじゃショウくん!もし同じクラスになったらよろしくね~!バイバ~イ!」
反応がないと分かっていても帆南は手を振りながらショウの背中に向かって声をかけ、彼がその場を離れるのを見送りながら自身も教室へ向かうのだった。
「今朝のアレ見た?」「見た見た!マジやばかったって!」
「札付きの問題児ボコしてたよ」「え、でもあいつ同級だとかなり強かったよね」
帆南が教室のドアを開けると、やはりいつもとは異なる種類のざわめきがそこかしこで聞こえてくる。
すぐに仲の良い友人たちが彼女に気づき、手を振りながら呼びかけてきた。
「おは~帆南~。 ちょっと来な~」
帆南「あっ、おは~! どしたの?」
「アンタまた要らんことに首突っ込んだっしょ。転入生を校舎裏に連れ込んだって」
帆南「あ~……あは、可愛いから拉致っちゃった~みたいな?」
言い訳めいた調子で軽く返すと、友人は「アンタって本当……」と呆れたように笑って肩をすくめた。
本鈴が鳴る。クラスの生徒たちはやや慌ただしく席に着きはじめ、帆南も窓際の席に向かい着席する。
いつもならとうに静かになっているところだが、今日のクラス内にはまだ少しざわめきが残っていた。
"Bランクの幼い転入生"、"朝一番から派手な喧嘩"と、噂をするにはこれ以上ないくらいの話題が揃っているのだから無理もない。
「でもめちゃくちゃ感じ悪いんしょ?」「絶対に同じクラスになりたくねえよな~」「C組とかに入ってくれないかな?」
不意に教室のドアが開く。クラス担任の先生が入室し、教壇に立つ。
「皆さんおはようございます。えー……今日は、このクラスに新しい仲間が増えます」
帆南「――――!」
教室が一瞬で静まり返る。さっきまでのざわめきが嘘のように消え去り、生徒たちの視線は一斉にドアの方へと注がれた。
開かれたドアから入ってきたのは、まさに話題の中心であった転入生その人であった。
ショウ「チッ……」
教室での生徒たちの声が聞こえていたのか、それとも好奇の眼差しが目障りなのか。ポケットに手を突っ込みながら不機嫌さを隠そうともせず、ズカズカと教壇の近くまで歩く。
黒板の前に立った小さな転校生は生徒たちの方に体を向けるも、ポケットに片手を入れたままで視線は生徒たちに向けずそっぽを向いている。
ほとんどの生徒にとっては、嫌な予感・的中────と言ったところだ。明らかに友好的ではないその態度は、大人であれば反抗期の子供といった風で可愛らしく見えないこともない。
だが、彼らはまだ高校生。しかもその体躯とは裏腹に自分たちよりよほど力を持っている存在がそういった態度を取っていれば、少なくとも面白くはない。ある者は反感、ある者は恐怖や不安を覚えてしかるべきだろう。
だが、そうでない存在も居た。
「へぇ…… 面白くなりそうじゃん♪」
波越 海翔(なみこし かいと)────日焼け肌で少々軽薄そうに見える男子は、頬杖をつきながら興味深いものを見る目でショウを見ている。
警視監であるお堅い父親との確執を持つ、サーフィン好きの自由を愛する少年である海翔にとっては、ショウの周囲に媚びない態度や波乱を呼ぶ行動は好印象ですらあった。
そして、もう1人────
「ふふ……素晴らしい。なんて美しいんだ────────そう、僕が!」
黒井 楼珠(くろい ろうず)────肩まである髪をかき上げた中性的な美形の男子は、手鏡に映る自分を見ていた。
徹底したナルシストである彼は、周囲のざわめきもショウの態度も関係なく自分を褒め称えていたのだ。
「ぬっふっふっ……今度こそ、拙の真の実力を証明する時が来たようでありますな……!」
白銀の髪の少女が、ピンと背筋を伸ばしたまま腕を組み何かを噛みしめるように呟いた。
彼女の名前はリーニャ・ベルクトフ。
肩まで伸びた髪はところどころ跳ねており、頬に貼られた絆創膏が彼女のやんちゃな性格を物語っている。
さらに目を引くのは、額に巻かれたハチマキと身体にフィットしたハーネスだ。
制服の上からも分かるふくよかな膨らみを挟み込むその装具はリーニャ自身のトレードマークのような存在だが、
それを身に着けている理由を知る者は誰もいないし、本人も特に説明する気はないらしい。
その奇抜な姿や振る舞い、彼女を一言で言えば“変わり者”である。
リーニャは含み笑いを浮かべながら自分の世界に浸っており、最後にショウの登場に反応を示したのは窓際の席に座っている帆南だった。
「あはは、マジで来ちゃってるじゃん! 同じクラスとか草~♪」
「は~い先生、ここ空いてま~す!」
帆南は空席を指さしながら、教壇に向かって楽しげに手を振る。
「ああ……では、席は水澄さんの隣で良いでしょう」
「さて、テンペスタさん。自己紹介をお願いできますか」
クラスの担任である中年男性は、ショウに自己紹介を促した。
ショウ「(ゲッ……あいつ……!) ……あぁ、ハイハイ……」
テンペスタ────その名で呼ばれたショウは忌々しげに担任を一瞥した後に教室の生徒たちに向き直る。
ショウ「ショウ・テンペスタ────ショウで良い。"そっち"は好きじゃねぇ、分かったな」
"ファミリーネーム"という言葉すら嫌悪するように吐き捨てたショウは、わざとらしく不機嫌そうな足音を立てながら指定された帆南の隣の席に歩いていき、どかっと座る。そして頬杖を突き、帆南からはそっぽを向いて窓の外を見る。
海翔「おい、おい……!ショウって言うんだろ?俺、海翔。よろしくな!」
ショウの前の席に居る海翔はショウに振り返り、椅子を後ろに傾けて肘をショウの机に置き、潜めた声で話しかけてニッと明るく笑う。しかしショウはむっとした顔で相変わらず窓の外を眺めている。"話しかけんなオーラ"が全開である。
海翔はそんな様子を意に介すこともなく笑いながらショウの様子を眺めている。
楼珠はショウたちとは逆の廊下側の席で決めポーズをとっている。