■ 創設の動機 ― 闇に立つ理由(2005年)
財団の創設者ハドルフ・D・ジョージアンは、イラク戦争での従軍中、ロシア出身の友人と出会い、共に幾多の戦場をくぐり抜けた。だがある日、作戦中にその友人が戦死し、同時に多くの民間人が巻き込まれ命を落とした。この悲劇を目の当たりにしたジョージアンは「国家の論理では救えない命がある」と悟り、非国家的・非政治的に介入可能な武装組織の必要性を痛感する。
そして2005年、スカーレット連邦フォマルハウトにて、WOLFBlackFairty財団(WBF財団)を設立。
「人々が光の中で生きられるよう、我々は闇の中に立つ。それは役目であり、宿命である。」
― ハドルフ・D・ジョージアン
■ 軍事組織としての成長(2005〜2023年)
財団はPMCとしては異例の規模で拡張を続け、支部を世界各地に設置。常設陸戦隊、機動部隊(MTFs)、警備・保安部隊といった多層構造の武力機構を整備し、災害救援から反テロ作戦まで幅広く対応。
また、別の世界線においては以下のような作戦への参加も記録されている:
2023年:シベリア支部のカルト襲撃事件
財団の研究拠点「サイト5-5」がカルト集団に襲撃され、これを防衛・鎮圧。現地の治安維持と研究資産の保全を成功させる。しかし詳しい作戦概要は不明
2024年夏:中国沿岸の企業国家にて対テロ作戦
無政府状態に陥った経済特区において、テロ組織による要塞化した巨大ラボを制圧。財団機動部隊による迅速な制圧が確認された。
2024年冬:ロシア・ウクライナ国境の都市暴動対応
暴動が戦闘に発展した国境都市において、財団は国連軍と合同で平定作戦を実施。中立PMCながら国連と協調する姿勢が示された。
■ ICF加盟とその代償(2024〜2025年)
2024年、国際秩序調整連盟(ICF)への加盟により、WBF財団は公的に国際安全保障体制の一員となる。
この年、南米麻薬カルテル殲滅作戦、サウジアラビアでの人道支援など、大規模国際作戦にも加わり、その能力と存在感を誇示。
だが、2025年、独自の軍事判断に基づく行動がICF指導部と衝突し、加盟権限を剥奪され、脱退するに至る。
これは財団にとって「影の守護者」へ再び回帰する象徴的な事件となった。
■ 現在の姿(2025年〜)
職員総数:4万3000人
常設陸戦隊:1.7万人
機動部隊(MTFs):5000人
非番武装部隊:9000人
非武装職員:1.2万人
支部数:Next世界で11、カクヨム世界では30超
今もなお、WBF財団は国家の意志に囚われず、戦乱の地で「闇に立つ存在」として、必要な戦いに身を投じている。
それが人道であれ、戦術であれ、あるいは誰にも知られない終末的任務であっても――。
■ 組織の中枢 ― 5K評議会
WBF財団の運営は、創設者ジョージアンを含む5K評議会によって行われている。それぞれが過去に深い傷を負い、贖罪の意志で財団に身を投じた人物たちである。
ハドルフ・D・ジョージアン(会長)
元イラク戦争従軍兵士。無実の命が国家によって使い捨てにされる現実に絶望し、理想を求めて財団を創設。理念と覚悟の体現者。
アレクサンドル・“レッドベア”・ストロゴフ(副会長・作戦部門統括)
元ロシア連邦軍スペツナズ指揮官。ジョージアンの旧友であり、彼の信念に共鳴して共に財団を設立。冷徹かつ実直な戦術家でありながら、個人的に孤児への支援活動を続けている。
ミリアム・ツォン(情報部門統括)
元東アジア某国の諜報機関職員。国家の情報操作と粛清に関わる中で「真実を守る者」の道を選び、財団に参画。諜報ネットワーク運用と心理作戦の達人。
ダニエル・グレイヴス(財政・調達部門統括)
元欧州系巨大企業幹部。企業の軍需構造に嫌気がさし、内部告発後に命を狙われたところをジョージアンに救われる。以後、財団の経済・兵站を支える重要人物。
カレン・オルブライト(研究・技術部門統括)
かつて国際研究機関で兵器開発に従事。自身の研究成果が虐殺に使われたことで精神的に崩壊し、財団に拾われる。現在は非殺傷兵器や防衛技術開発に力を注ぐ。
この五人が支えるWBF財団は、PMCでありながら多国間戦争への参加を拒否し続ける「中立の武力」として活動。
時に国連と、時に市民と、時に敵すら守る「蝋燭のような存在」として、世界の矛盾と戦い続けている。
人物像:
イラク戦争に従軍し、戦場の惨劇と国家の論理の限界を目の当たりにした男。多くの仲間と民間人の死を経て、「国家の枠組みでは救えない命がある」と悟り、WBF財団を設立。彼の哲学は、単なる武装組織ではなく「影の守護者」としての在り方を追求するものだった。
歳を重ねた現在でもその存在感は圧倒的であり、財団の理念を体現する象徴的な人物だ。戦場では冷静な決断を下し、孤児や戦争被害者の支援にも尽力している。
武装・技術:
アレクサンドル・“レッドベア”・ストロゴフ(副会長・作戦部門統括)
経歴: 元ロシア連邦軍スペツナズ指揮官
年齢: 1958年生まれ(現在67歳)
特徴: 190cmを超える巨漢、赤茶色の髪も白髪交じりに、戦場の傷跡が刻まれた強面
人物像:
ロシア軍の特殊部隊「スペツナズ」で指揮官を務めた伝説的兵士。ジョージアンの古くからの友人であり、彼の理念に共鳴して財団創設に参加した。
年齢を重ねても彼の強靭な体躯と戦場の本能は衰えず、部隊を率いる際の采配は正確無比。冷徹かつ実直でありながら、孤児支援など個人的な活動にも尽力するという二面性を持つ。
武装・技術:
ミリアム・ツォン(情報部門統括)
経歴: 元東アジア某国の諜報機関職員
年齢: 1982年生まれ(現在43歳)
特徴: 黒髪のボブスタイル、細身ながら俊敏、冷静な表情
人物像:
国家の諜報機関に属していた過去を持ち、情報操作や粛清に関わるうちに「真実を守る」という信念に目覚め、財団へと身を投じる。知的かつ沈着冷静な戦略家であり、機密情報の管理や諜報作戦を指揮する役割を担う。
武装・技術:
ダニエル・グレイヴス(財政・調達部門統括)
経歴: 元欧州系巨大企業幹部
年齢: 1976年生まれ(現在49歳)
特徴: 金髪の短髪、端正な顔立ち、スーツ姿が多い
人物像:
かつて軍需産業の中枢にいたが、その構造の腐敗に嫌気がさし、内部告発を行った結果、命を狙われる身となった。ジョージアンに助けられたことがきっかけで財団へ加入し、現在は財政面を統括。
戦場には直接出ることは少ないが、裏方として財団を支える存在であり、財務管理や物資調達などを一手に担っている。
武装・技術:
カレン・オルブライト(研究・技術部門統括)
経歴: 元国際研究機関兵器開発者
年齢: 1980年生まれ(現在45歳)
特徴: 長い金髪、知的な雰囲気、白衣を着ていることが多い
人物像:
かつて兵器研究者だったが、自らの開発した技術が虐殺に使われたことを知り、精神的に崩壊。その後、ジョージアンのもとに保護され、財団に身を投じる。現在は非殺傷兵器の開発や防衛技術の研究を行っている。
武装・技術: