インド自治領
英語訳:Dominion of India
19世紀以降続く連合王国の帝国主義的支配の象徴であるインド自治領は、ウィンストン・チャーチルをはじめとする老人たちの最後の遺産であり、大英帝国の宝石である。産業革命の時代から連合王国を支えてきたこの不幸な植民地は第二次世界大戦においてもその膨大な人口を連合王国の勝利のため消費するように強制された。ガンディー、ネルー、ジンナー、ボース。これらの勇気ある者たちはベンガル大飢饉や対日参戦の強制など、自分たちを虐げるリンリスゴー卿をはじめとする圧政者からの独立と自治を求め、あらゆる手段で講じた。穏健派がそのようにして独立運動を行う中、急進派や過激派は戦争による独立を支持して穏健派の活動を妨害し、この政治的準内戦がインドを影の時代へ堕とす事となる。
改善されない大飢饉、藩王国からの反発、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の大衝突、インド全体に混沌が広がる中、リンリスゴー卿の暗殺によりあらゆる反体制派が蜂起を開始し群雄割拠のインド内戦が勃発した。チャーチルの使命により後継となったアーチボルト・ウェーヴェルはマドラス管区と協力的な藩王国を率い再び連合王国のインドを再建した。C・ラージャゴーパーラーチャーリーを首相に添え建国されたインド自治領は、ウェーヴェルによる現実主義的な統治体制と戦略に基づきインド全域の解放を最終目的にハイデラバード藩王国などを打ち倒し南インド全域を確保した。北部でインド国民会議や全インド・ムスリム連盟、全インド前進同盟などの勢力が終わりなき戦いを続け現在に至っても各地の自治政府が存在し統一政府は存在しない。
スワタントラ党による統治と自由主義が続くインド自治領はハイデラバードやマドラス、バンガロールを中心に経済成長を続けインド洋における連合王国最大の軍事拠点でもある。一方でエリート主義とカースト制度が色濃く残る不安を抱えたこの国は現在でも英領インド帝国の歴史の証人であり、インド統一という偉大な目標を持つ夢想者なのだ。