ウラジオストク連合軍に所属する海軍スペツナズ。水中工作や偵察、特殊部隊への対抗作戦を主任務として編成、現在は参謀本部直轄部隊としてルースキー島に駐留している。
1970年代、ロシアの第16生物化学工場は遺伝子工学によって身体能力の上限を超える「強化人間」の研究を開始。78年に最初の試験体が完成し試験が行われたが体温の冷却不足により焼死、その後開発された13型構造体は発熱を抑えたものの長時間運用に適さず、水中での冷却が可能な海軍スペツナズでの試験的運用に留まった。この時点の強化人間はまだ人の枠に収まる程度であり、その結果に満足できなかった研究者たちはさらなる改良を目指した。
1985年に実験中の被検体7名が暴走し発火、多数の死傷者が発生する事件が起きた。この時暴走した被検体の出力が目標値を越えていたことに目を付けた研究者たちは発熱の制御と安定化を新たな課題とした。人間単体ではそれらの両立が厳しいと考えた研究者は外部の機器によって制御する方法を考案、試作機が製造されたが当時の技術では機器の小型化ができず研究が停滞した。
1996年に沿海戦争が終結、日本軍は第16生物化学工場を接収すると研究内容を調査、研究の停止の有無に触れず工場を返還した。各地に逃亡していた研究者たちは工場に戻ると日本のとある医薬品企業と共同で研究を開始、1999年に体外式制御装置と35型構造体の開発に成功した。しかし次は手術の成功率の低さが問題として浮上、素体として必要になる優秀な兵士を失うことに見合わないとして再び研究が停滞していた。
2004年、失踪していた研究者がより優れた手術措置を考案し大幅に改善、これによって強化人間は正式に部隊に採用されることとなった。入隊し手術を受けた隊員たちは、人間の兵士をはるかに超える身体能力と戦闘技術を持つ強化兵士として再編、水中機動機器や制御装置などで身を包み「ピョートル大帝湾の悪魔」と呼ばれる存在になった。