経歴1:
GMCが主導となって国家統治AIシステムの開発が進んでいた2007年。アルキュオネ・ナノ・テクノロジー(ANT)が人体工学に基づき、機械で人間を模倣する「機械人間計画」を開始したが、09年より始まったガリシア継承戦争により本社が被害を受けたことや予算問題などから義体は試作のみで終わり、ANTは経営を立て直すためエレナ・ニーナ・グループの傘下に加わり、計画は廃棄された。
時は経って帝国の拡大方針にて、旧スペイン=ハプスブルク帝国領の回収を目指す中で、統制局は懸念を露わにしていた。帝国統制局の試算では、帝国本土から距離があり異民族である中国の土地は従来の方法では統治が困難であるとの見解が示されていた。既にアメリカ大陸領にて運用されていたテミス・システムが治安維持で大いに有用性を示していたこともあり、中国地域における試験特区の設立が政府内で協議された。その中で、先行運用されていたアメリカ領にて伝説的・象徴的存在による市民心理安定効果が報告されたことから、中国の伝説的存在である「青龍」を統治に用いることと人間との親和性を持たせるために人型へ龍の意匠を加えたアンドロイドがエレナ・ニーナ・アジアから提案された。
エレナ・ニーナ・グループは旧ANTが研究しとん挫していた「機械人間計画」を再利用しつつEN関連企業の技術を投入する「ALPHA:FORM」が立案される。ENアルキュオネ・ナノが義体設計を提案、ザルツァ美学研究室が意匠設計を行い、完成した初号機「DR-0α」がフローニンゲン人間工学研究所にて稼働試験を行ったものの要求された「人間性」には及ばず機械感は強く残っていた。続く「DR-0β」では*テミス・システムとの双方向共鳴ループ“ΔE-Loop”を搭載して通信試験を行うなど各種試験のためにDRシリーズはαからθまで8機が試作された。
8機の試作を受けて正式型の生産が始まり、24年にDR-01がロールアウト。25年の蘇州におけるテミス・システムの導入後に投入された。
経歴2:テミス・ロングニュは、未公開の技術により作成されたアンドロイドである。テミス・システムとの同期を前提としており、同期下においては最高のパフォーマンスを提供できるが圏外となると演算能力などなど、問題は山積みのため運用は圏内に限られる。