「30式戦車を視認。V-マルス、VLS・トップアタックモード起動」
「ドローンよりロックオン完了。発射弾数1発。発射許可を」
数十メートル先。帝国軍の30式戦車部隊が確認できた。相手部隊は正規軍に近しい装備をしているというものの、せいぜい中小国レベルだ。こちらが戦車を出さなくても破壊可能。
「発射許可を出す」
命令が下りた。手元のコントローラーのスイッチを押し、敵戦車に対して対戦車ミサイルを発射する。
「破壊を確認」
弾着とともに砲塔が吹き飛ぶ。あれで生き残れる人はいないだろう。それにしても……
「帝国と言い、共和国と言い、あまり練度が良いとは言えないな」
山岳地帯を走破するMMAVによられながら呟く。上空にはチェコ軍の航空部隊が飛行していた。ふと、シューティンググラスに敵部隊の情報が映る。
「ふふ……やっぱり情報部門の野郎どもは天才だよ。IISSを開発するなんて」
敵歩兵部隊の位置情報が画面に映る。装甲車が2台、兵士が10名ほどか。
「敵部隊へのV-マルスの使用を許可する。歩兵相手は榴弾弾頭でやれ」
「了解」
敵部隊をロックオンしたミサイルは、きれいに放物線を描いて飛んでいった。
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