富栄養化した深溟のモルカー
7代目管理人 46cf543500
2025/03/02 (日) 08:58:48
『エーギルによる大侵攻から数年、通信障害は依然として復旧せずー』
ラジオから連日流れるのは戦況などを伝える緊急回線のみで、どれも良いものではない。大西洋での人ならざるもの達との戦いはアメリカ大陸航路の失陥、アジア航路の失陥…敗北を経てこうして本土へと迫りつつある。
「我々の目的は沿岸の防衛である。既に領海内に迫っているという話もある。注意しろ」
『ー、海外領土との航路寸断を受け、国内では食料不足が深刻化しています。ー』
『ご高齢のため退位が噂されるディートリヒ陛下の後継者を巡り帝国政府内で対立が起きておりー』
「ラジオはどうもいい番組をやってくれない。音楽でもかけてくれりゃ多少は気分が上がるのにな」
最中、部隊内に配備されていたレーダーは何かを捉える。
「索敵レーダーに反応。…1、いや…10…、」
レーダーに映し出された赤い点。
それは間もなく2つに、10に100に…、レーダーを真っ赤に染めた。群れをなした点は着実に陸を目指している。
「し、司令部へ伝達!本土へエーギルが来た…、増援を要請。我々だけではあの数を対処できない…」
『ー、我々に必要なのは暗闇を照らす灯火です』
「各員、戦闘配置。ここで食い止めるぞ…」
昔のエーギル茶番の世界線。海の化け物と争っている世界線で、当世界線の帝国はボロボロです()
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