富栄養化した深溟のモルカー
7代目管理人 46cf543500
2025/03/16 (日) 14:25:34
イベリアの火から早数ヶ月。あの異様な騒がしさは当に消えて街には活気が戻っていた。大宰相となって首都に移動してから、書類仕事やらに追われて中々休む暇もない。誰も見ていないことを良いことにタバコを吹かしながら革製の椅子に身を任せ、山積みの書類に目を通す。すると執務室のドアは急に開き異国の彼女が姿を見せた。
『っと、忙しそうじゃねぇか。こんな夜遅くでもやっぱお国のトップってのはそういうもんか』
「えぇ、こんなことになるのだったら外務宰相に留まっておくべきでしたね」
『英雄様は違うな…って、随分とタバコ吹かしてるみたいだが大丈夫なもんなのか?』
「ん?"元人間"の体は以外と便利らしく、ニコチンやら有害な物質はエーギルの器官が体のエネルギーに作り替えるそうです。なので許容範囲を超えない限りは問題ないと」
『へぇー、そうなのか。そうだ、仕事は切り上げて酒飲もうぜ!いいだろ?』
「…まぁ、日付も変わりそうですしバチは当たらないでしょう。」
『じゃあ決まりだな』
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一通り書類を片付け、巧妙に隠された貯蔵庫からいくつか酒を見繕って並べる。コップに注いだテキーラショットを片手にシナノは僅かに口角を上げた。
「さて、せっかく晩酌するのだから気の利かせて酒の肴になる話を持ってきてくれたのでしょう?…そうですね…、例えばあなたが会ってきた異性体の話…とか」
舞台は帝都。シナノが大宰相になったためマドリードの外務省からエレクシアの大宰相府に移ったため。
・異性体
帝国での人外を指す呼称。
久々のルェン・シナノ茶番です
ルェンに変わってからは初めてかもしれませんが()
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