『異性体の話?おめーがそんなこと聞いてくるなんて珍しいな』
「特に深い理由はありませんよ、ただ黙々と2人で呑むよりはマシだというだけです」
『別に構わねぇけどさー…、君たち仁になんかするつもりなんだろ?』
「…どこでそれを?」
『別にただ暇だっただけだ、なんか邪魔するわけでも情報バラいたりするつもりもねぇから安心しろ』
『…なんだよ、ホントだぞ?』
「まぁいいでしょう、あなたがそれをどうやって知ったのかは知りませんが、他に知られるよりはマシです」
「とはいえ、どこまで知ってるんです?」
『そんな詳しくは知らねーよ、ホントに軽ーくだ』
「なるほど、それでは聞きましょうか?あなたの方が彼についてよく知ってることでしょうし」
『…一年半前くらいに台湾で事件があったのは覚えてるか?』
「えぇ、一時期話題になりましたよね。在中利軍襲撃事件でしたっけ?それに彼が関連していたという話は聞いたことありますが」
『あの時に色々見させてもらったんだ、アイツについて。それで知ったんだけどさー…、アイツどうやら色々営業方式変えたみたいだぞ?』
「というと?」
『どういうつもりか知らねーけど、その後のMI6の報告を見てみても、狙撃銃を持つことがほぼ無くなったっつーか、どっちかっつーとアグレッシブになった感じなんだよ。だから、アイツになんかするときは一応気をつけておけよ』
「単なる狙撃兵じゃ無くなってきたと?」
『その通り。それと…、アイツをどっかに幽閉とかすんなら誰にもバレない場所にしておくのをオススメしとくぜ』
「勿論そのつもりですが…なぜ?」
『経験則』
『っま、そこら辺どうすっかはおめーに任せっけどな。そんときは私にも場所教えてくれ、場合によっては行ってみっから』
『どうせだ、おめーが望むんであれば護符でも用意してやるが、どうだ?』
「護符?」
『日本人は確か仏教徒が多いんだろ?なにせ相手はあの仁だからな、「備えあれば憂いなし」ってやつだ』
「…場合によっては貰うかもしれないですね」
『いつでも準備してるぜ』
心地よい音と共にテキーラをグラスへ注ぎ入れると、彼女が続けた。
『あ、そうだ。この際一つ聞いておきたいことがあってな』
「なんです?」
『別に大したことじゃねぇよ、この前リューディアと会った時色々過去のとこについて聞かせてもらってな』
「それで今度は私のを聞きたいと?」
『御名刹』
はい、「月曜日には終わりそう」とか言ってましたがバリバリ嘘つきました。すみませぬ…
・Just the two of us
ビル・ウィザースの有名な曲が元ネタ。この前の「A day in the life」もThe Beatlesの曲が元ネタです。
・誰にもバレない場所にしておくのをオススメしとくぜ
在中利軍襲撃事件のへの皮肉。「もしかしたらWOLFの連中が奪還しに来るかもよ」という意味。
なんか気に食わないところがありましたらお申し付けくださいまし、修正いたします
そういや確かに狙撃銃を持つことが減った気がする......
ありがとうございますー、