とりゆっけ
補助龍 6641dc4fb6
2025/05/05 (月) 20:22:52
無力となった行政長官、楊煌明。事務所の窓から、蛍光灯の光が湯巻く広州市の輪郭を最後に見つめ、楊は苦笑いした。
こうなってしまった。夢見ていた、煌びやかな永速の貨物線はもう存在しない。そこは今や、地球のような屠殺場だ。 炎が音を立てて内部を焼き尽くし、和人、珠人、華人の絶望的な叫び声が響き渡る。 いくら銅板を注文しても、いくら軌道修正しても、もう駄目なのだ。この富と約束の船は、かつての「沈まない」船と同じく、最初から虚構だったのだ。
広東を失敗させた男、楊煌明。華南の宝石に降りかかった災難は、どれも楊が直接やった事 ではない。それなのに、これが彼の通すもの、墓碑銘となってしまうのだろうか。官僚の汚い手から逃れられるものは、経済成長率とともに地獄の最深部へ落とされることを免れられるものは、いないのだろうか。何度も何度も無実を訴えても、黄泉の国の監視者たちは嘲笑い、面と向かって言い換えしてくる。お前は、敵を作りすぎたのだと。
薄暗い肌の後ろに座り、静かに悲しみに浸っていたが、けたたましい呼び出し音が思考を妨げた。電話の向こう側にいたのは、劉公正だった。軍事クーデターにより空位となった総統の座を勝ち取った彼は、台湾に来れば「立派な地位」をやると言っていた。黙って聞いていると、不気味なほどの静寂が訪れた。楊は部屋に意識を戻し、半分空になった部屋の、埃まみれの隅に旅行鞄を置いた。台湾で共に過ごした相棒であり、今は、この燃え盛る貨物船で共に最期を迎えようとしている。
もう二度と、頼ることはないだろうと考えていた友人だった。
そうして、船長は船を捨てた。
追伸:モルさんへ
シナルェン茶番はちゃんと製作中なのでご安心を、久々なので戦闘描写に少し手こずっておりまする…
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