うんぜあ がんつぇ りーべ でん らんと!!(アルゴン)
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2025/05/18 (日) 01:22:14
「あれがルシフェロ級か...」
アルゴニア級の装甲化された第一艦橋にて。モニターの一面を埋め尽くす巨大な航空母艦。偵察機によってもたらされた''ソレ''を確認し、副長はほっと息を吐く。
「全長が1000メートルを超える超大型航空母艦。軽く見積っても我が国のライン級の凡そ4倍。とんでもない化け物空母ですね」
艦長は肘をつきながら、モニターに映し出されたルシフェロ級の姿を睨んだ。波をかき分け海原を進む巨体は、遠目にも圧倒的な威圧感を放っている。無数の甲板に並ぶ艦載機、その一機一機が艦体の一部であるかのように整然と配置されている。
「化け物という表現も足りんな。空母というよりは、もはや移動要塞だ」
艦長の声には緊張が滲んでいた。目を細め、追跡ルートをモニター上にプロットする。ルシフェロ級の巡航速度は意外にも一定だが、その軌道には独特の規則性が見て取れた。
「どうやら、通商路に沿って巡航しているようですね。目的は十中八九哨戒任務でしょう」
副長が指し示したのは、海図上にマークされたいくつかの航路図だった。艦長は次の一手を考えつつも現状取るべき動きを指示する。
「20~30km手前をキープしろ。目的はあくまでヤツを牽制することだ」
アルゴニア級に莫大な推力を与える磁気推進器が急速に海水を取り込み始める。ルシフェロ級の後方25km、その巨体を捉え続けながら、着実に距離を維持したまま海原を進む。
「奴らが動きを変えるまで、こちらも動かん。無駄な挑発は避けろ」
艦長の冷静な声がブリッジに響き、全員が息を潜めた。追跡は続く。アルゴニア級はその存在感を保ちつつ、必要以上の刺激は与えずにその巨影を追い続けていた。
海は静かだった。
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