軍事部だった何か
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2025/05/28 (水) 12:07:01
「仁、仕事の話があるが...」
「僕はやらない」
財団本部。残存確認ができる2名を除いて誰もいないオフィスに僕の声が響いた。
「久しぶりの前線任務なのに?」
「財団が動いても大して問題ない。だけど僕が動いた瞬間、世界に叩かれる。なら動かない方が財団のためじゃない?」
最後の一枚のレポートを書き上げて残りわずかコーヒーを喉に流し込む。はっきり言って前線任務はもうやりたくなかった。
「今回はそんなことはないときっぱり言える。だから大丈夫だ」
「ぶっちゃけ僕がいなくても財団は任務を完遂できるんでしょ?」
「......」
「どうやら図星のようだね」
PCの電源を消して、帰りの用意を始める。今日は残業したことを雪に言っていないから、帰ったら謝らないと。
「僕の体は戦闘をもう求めていないし、残り少ない人生を楽しめれば良いから」
キッパリ断ってガンケースを持ってエレベーターに向かう。
「そうか。なら俺も強制はさせない。ただお前がいるだけで残れる命が増えるとだけは覚えてほしい」
車に乗り込み、しばらくの間目を閉じる。
『んで、結局どうするつもりだ?余命はあと10年と宣告された狼傭兵さん?』
「そうだね...」
はっきり言って戦闘は求めていない。でも刺激は求めたい。
「どうせあと10年。人生踊りゃな損だな」
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