とりゆっけ
補助龍 6641dc4fb6
2025/06/16 (月) 14:10:27
エレナ・ホワイトは電話をかけ続けていた。ハーヴィが応答しなくなってからしばらく経つ。共産党にいる以上こうなる可能性を考えていなかったわけではないが、それでもそれは恐ろしかった。外で聞こえていた怒号は消えつつある。サイレンの音が鳴り響き、ニュースを覗くとすでに過激派によるロンドンデモは終結したと報道されていた。
昼過ぎの平日、彼女はそれでも電話をかけ続ける。ニュースは今回のデモによる死者を
報道し続け、幾つもの画像がレポーターの解説とともに報道され、映る人々は明らかに混乱にしていた。
外からサイレンの音が続き、おそらくパトカーがいるのだろう。それにしたって長すぎる。嫌な予感がした。サイレンの音が彼女に近づくとき、ニュースはハーヴィの死を伝えた。胸と頭を撃たれ即死…明らかに他殺だ。共産党が解体されるとも、それでも音は鳴り止まない。
音が止まったとき足音が聞こえた。おそらく警官だろうが明らかにおかしい、大柄な男が一歩一歩踏み締めるような。
ドンドンドン
扉が勢いよく叩かれ、それと同時に彼女は逃げ出す判断をした。目的は自分だ。間違いなくハーヴィを殺したのは政府の連中だと確信した。次は自分の番、考えてみればさっきの死者たちも共産党の者たちだったのだろう。
ドンドンドン
息が荒くなり、勢い余って壁に身をぶつけながら廊下へ出る。足を家具に引っ掛け転びそうになりながらも、向こう側の扉へ。早く、早く裏口から逃げなければ
ドンドンドン
どうやったのか知らないが、一瞬だけ鍵穴が開く音がなり、扉が開かれた。警官がリボルバーを持ちこちらを見つめると、すぐさま彼はエレナに銃口を向け、その命を終わらせた。
疑わしきは…
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なんてことを…()