ウルグアイ
2025/07/06 (日) 14:35:04
be4eb@144e0
オルドーニェスの庭①
7月6日、日曜日、オルドーニェスは久しぶりの休暇を庭の手入れに費やしていた。彼の庭はさほど広いものではなかったが、彼のあまりの激務が故に雑草の侵略から庭を防衛し切るのは時間的に不可能に思た。
「最初から繊維を喪失していては勝てるいくさも勝てないよ」
女性用の乗馬服を着てオルドーニェスの雑草との果てしない戦争を観戦しにきたカロリーナ・ボルダベリーにそう述べると草刈機を手に持ち雑草の壁絵と向かっていった。
「庭師に任せればいいのに」
そう一言、オルドーニェスに会えて聞こえるようにカロリーナは言ったが、彼は聞こえないふりをして歩いていった。
3時間後、カロリーナがアイスティーを入れ終わる頃にオルドーニェスは休憩のために帰ってきた。
「大統領、アイスティーが入れ終わりましたが飲みますか」
そう彼女がオルドーニェスに聞くと、オルドーニェスは少し不服そうに彼女を見た。
「二人の時は、役職名じゃなくて名前で呼んでくれといつも言っているじゃないか」
「室内ならともかく、外だと誰が聞いているかわかりませんよ」
十歳以上自分より若い少女に自分の甘さを正されたオルドーニェスは、トボトボと彼女が持っているテーブルへと向かっていった。
補足
なんでカロリーナが観戦しているだけなのかというと、カロリーナは大統領の護衛の指揮が役割なのでオルドーニェスと一緒に農作業しているとその役割が果たせないからです。
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