とりゆっけ
補助龍 6641dc4fb6
2025/08/04 (月) 15:27:35
保守党が勝った。
それはテイラーによる「統制された平和」が続くことを表していた。労働党と自由民主党の議席数は議会の4割ほどにまで落ちぶれ、保守党と首相は自由にこの国を動かすことができる。エイヴォンは権力の座を負われるだろう。本当に彼の責任だったのかはさておき、党全体の利益のため総選挙の敗北の要因をすべて彼に押し付け、また新たな有能を見つけるためだ。
深淵を覗く時。
この言葉の意味する通りとなった。大陸に充満する国家社会主義と共産主義の脅威から国家を守ると宣言したかつてのテイラーは今や新保守主義の名の下、統制された民主主義を自由と呼んでいる。なんと滑稽なのだろう。
しかし多くの英国国民の生活は変わらない。昨日と同じ時間に起きて、食事を摂り、仕事をし、就寝する。彼らにとって憂慮すべき点とは日々の生活が政府により侵害されるかどうか。大半の国民にとって騎馬警官が街頭を巡回して、路地裏で思想犯罪者が拘束され、保守党が法案を強行採択したなどということは自身の生活に何の影響も無いのだ。
変わりなく、テイラーの治世と治安維持は続く。過激派は姿を消し、労働組合は声高に訴えかけ、貴族は貴族院に帰還する。古き良き20世紀の光景は蘇る。
これこそが大英帝国なのだ。
希望と栄光の国
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