あーねむ
副管理人(再雇用) b92cc25641
2025/08/12 (火) 09:23:51
「降りるぞ。200m先で銃撃戦だ。俺たちは警察に加勢する」
暗い車内に響く分隊長の声に背筋を正す。グリップを握る手に力が入り、数年ぶりの『戦闘』に向けて脳がアドレナリンを放出しだした。
揺られること数十秒。時は来た。
「下車!下車!」
声と共に後部ハッチが開き、眩い陽光に思わず目を細める。銃声と装甲が銃弾を弾く音が断続的に響き渡る。先に降りていく隊員に続き足を踏み出すと、後ろから一際大きな銃声が唸る。
12.7mmRWS。スヴァーリ装甲兵員輸送車に設置された車載の遠隔操作式機銃だ。
「APCに随伴しろ!7mmじゃ貫通するわけねぇ!」
周囲の警官が建物に向けてパトカーから射撃する中、自分たちPMCはAPCを盾に進んでいく。
相手が籠っているのは2階建て、コンクリート製の建物。3つある窓からは小火器による射撃が続き、すでに複数の警官が倒れていた。車体後部の両側からコントラクターが銃撃を繰り広げる。自分は右側にいた。
「タンゴダウン。グレネーダー!右から3つ目に窓にグレネードを撃て!」
肩を叩かれる。射撃を中止し後ろに下がると、交代でもう1人が前に出る。車体を使った委託射撃。車の動きをもろともしない正確な射撃が、相手に顔を出すことも許さない。
突然、注視していた窓が爆散する。煙が窓全てを覆い、こちらに向いていた銃火が途絶えた。左から射撃をしていたグレネーダーが撃ったようだ。これで大きく前進できる。
「行くぞ!仕事の始末だ」
スピードを上げたAPCに走って着いていく。後方にいる警官たちが、PMCを支援するためにすべての火力を投射していた。
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右から3つ目の窓はもう一番左の窓なんよ