第五章 エピローグCで
彼の視線の先には一つのオブジェがあった。
それは恒星の如き輝きを放つ一つの大球体、そしてその周囲を十三の惑星の如き光を放つ球体が飛び交っている。
いや、正確には違う。
光を放つのは十三だが……もう一つ。
一つだけ、光なき球体が大球体の周囲を周回している。
「……あれが灯るまで、あとどれくらいかな」
チェシャの呟きには、幾つもの複雑な感情が絡まっていた。
その感情を言葉にするには、あまりにも掛けた時間が長すぎる。
ただ、一つだけ言えるとすれば、最後の一つが輝く日は……これまで待ち続け、務め続けた日々に比べれば遥かに短いだろうということだけ。
あとドーマウスも
『……我輩達の悲願も、地球の<マスター>を迎えたことで最終段階の一歩……二歩手前まで来ているのである。ここでゲームオーバー、というのは困るのである』
って言ってるしほぼ間違いなく最後の一体だと思う。
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