かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 107

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アベニール1巻読了。やはり物が絶版で入手困難になりつつあるものに、初読向けのあらすじなんてレビューに書き込んでおいてもしょうがない。どうしても読みたければそのコストで自力で読むから。挿絵のフール・ケアがいい。

EMOとインティパの当時のアイデア参考は巻末に文献が載ってる。『アベニールをさがして』小説自体の突然始まって突拍子もないような情報量や、難解かもしれない"筋立て"のようには、富野作品に読み慣れていれば何ということはないし、先日の『ゴドーを待ちながら』のような途中で寄り道をしていても本は逃げはしない。わたしはこのあとでバルザックを読もうかな。

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  • 109

    『Vガンダム』から続きで読んでいると、シャッコーならぬ今回は空からアラフマーンが降りてきていきなりエンジェル・ハイロゥから始まった感じ。その場の全員に何かはわからないがとにかくアベニールの名前は目的意識として共有されてしまった。

    とくに、フール・ケアにはアベニールは「救済」のイメージと不可分に結びついてしまったらしく、軍人の笛吹の理解では目的というと「脅威・敵」という語になるのに過敏なほど噛みつく。フール・ケアは饒舌だが、口数は多くても自分の言いたいことを相手に正確に伝えることができない、元々それでアウトサイダーになっているようなややこしさで、文学者としてのシオ・フェアチャイルドとは対極のようでもあった。