前回、ガーゼィの最中に「ヤマトタケル」を扱ったが、あの中の「うぬぼれ」についても、このグラン王の傲慢と全く同じ意味なので、参照したいところ。というのは、「ヤマトタケル」のテキストを書いているなかにし礼の次作「ワカヒメ」で、その「うぬぼれ」という王の属性が形を変えて今度は倭の武王に展開される。同時代的には面白いんだ。
「ああ、これほどの英雄の心をもうぬぼれの病が犯すのか」
「私はうぬぼれていた――私は身にしみて知った、人間一人で何が出来よう。
神は私に天罰をあたえられ、そのことを教えてくれたのだ」(『ヤマトタケル』より)
「天は私に思いあがるなといいたいのだろうが
私は思いあがりだけで一生を生き抜いてきたのだ」(『ワカヒメ』より)
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ズムドゥ・フングンのキャラクターの起源をたどれば直接にはガダバのゴゾ・ドウ、ズオウ大帝などはすぐに挙がるだろう。ゴゾ・ドウの人物として描かれるうち、老覇王ではある一方で読書家でもあり、各地方の古伝や民俗学的文献を好んで読んでいたりもすること。