かとかの記憶

富野由悠季 周回 / 207

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207

 泣きくずれる侍女たちは、居間にも衣裳部屋にもいたが、寝室はさらに号泣にみたされていた。
 ベッドのうえで、オクニスは、胸に刺された短剣で血に染まっていた。
 すでに顔色には生気の片鱗もなく、ベッドの天蓋(コクピット)をむなしくうつす瞳にも、艶がなくなっていた。

前にも触れたように思うが、やはりこれは不可解というか……不可解でもなくて、「天蓋」には「キャノピー」とルビしたつもりが、「コクピット」と書いてしまったんだろう。他愛ない書きあやまりにしても、さすが普段、戦闘機とかモビルスーツのことばかり考えている著者ならではと思えるところ。

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  • 208

    読者としては妙に感心してしまい、面白いんだけど、作中ではシリアスなところなのできっと修正はされたほうがいい。

    209

    『しかし、アカイアーよ、これはちがう……』
     王の動揺を知らぬアカイアーと、処女を獲得しようとする騎士たちは、王の大義が聞こえたにしても、もう聞く耳はもたなかったであろう。

    これは「大義」ではなく「大息」。書き間違いとは思われない。誤植だが、メモしておかないとわたしは読み返すたびにつっかかると思う。