「竜か! ふむ、たしかに竜は業突張りの欲深で、腹黒いうえに、血も涙もないときてるわな。だが、竜は邪か? 竜の行いの正邪を判定するだと? わしは、いったい、なにものよ……。竜は人間より賢いわい。アレン、竜といるのは、夢といるようなものよ。わしら人間は夢を見る。魔法を使う。善を為し、悪を為す。竜は夢など見ない。竜自身が夢なのだ。竜は魔法も使わない。竜そのもの、その存在自体が魔法だからな。竜はまた、ことを為さない。彼らは在るだけだ。」
文章を引用する者は皆好き勝手な目的でするものだが、『竜は夢を見ない、竜が夢だ』という言い切りは今聴くと気持ちがいいな。夢といえばわたしは前回、先日『天のろくろ』を読み終えたばかりだけど、ここは竜の話、これまでは竜の言葉の話だったが、今度は竜と夢の関係を言われたのは、アースシーでは初めてだろう。『ドラゴンが出てくれば何だってファンタジーである』のようなことは余所で言われていた。
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ブクログの棚に『さいはての島へ』には竜タグを振っておくけど、「夢」タグというのはまた、設けると爆発的に殖えるばかりで扱いにくそうだな。重要そうなものだけ拾う、というやり方では分類タグはいっそ設けないほうがいい。別の基準が入るから。
数が多いとわかっているなら、もっと特定的な名前をつける、たとえば「ユング」タグとか。それは指摘しておいて、今は放っておく。
ル・グウィンはユングの下位分類じゃないだろ。それがいやだと今回通読の最初に言っているんじゃないか。思い出すと意外にややこしいなあ…。