かとかの記憶

Earthsea / 9

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4章。ここらは訳者の言葉づかいの按配も多少はあるだろう気はするけど、今それではなく。
一応、青少年向けに書かれている小説だから、「無為自然」のようなことを説く大賢人のことを青少年は鵜呑みにするものとしておく。

少しく齢のいったファンタジー読者なら……、ここは文章がそのまま「老荘だなあ」とは、まず誰しも思うはずで、それだとむしろ、アレン君の素朴な疑問にむかって躍起になって語るハイタカのほうが、いくらか大人げなくもみえるんじゃないか。この場にもしも老子がおれば「やめよ、やめよ」と言われるような気もする。また、「大賢人がいうことだから老荘を信じよ」といえば、それは奇妙に聴こえる。

孔子が「竜を見た」と言って称えたように、この方はわれわれの手の届かない遠い方なんだなあ……と、仰ることは全然わからないながら熱い目で見守ってくれるアレン君の方が、ハイタカにしても居てくれて助かるんじゃないか。このたび、アレン君可愛いしか書いてないみたいだ。

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    流石にここに、大賢人ハイタカ(ゲド)の代わりにいかがわしい英国紳士のジョーキンズ氏がいても若者は安心したり信用してくれないか。ジョーキンズはあれで結構、いざとなれば荒事にも頼れる経歴(自称)のはずだが。