かとかの記憶

リーンの翼 / 135

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旧版では、確かに俺は地上人だに続き、『地上人の迫水真次郎、聖戦士の迫水真次郎である』とおっ被せて名乗るが、完全版では、『地上人の迫水真次郎である!』とだけに短縮されている。

それにデダンが、『嘘だっ! 現代に聖戦士が現われることなどない!』と叫ぶので、完全版では聖戦士とはとくに言っていないことに答える。リーンの翼を目の当たりに見ながら、見ても信じられないと言い張ることには違いない。

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    katka_yg 2025/09/01 (月) 23:25:04 修正 >> 135

    章おしまい、旧版2巻読了。今夜ここまで。

    戦闘後、アマルガンと合流して会話中――「俺にとっては、自力でアマルガンに認められたかった。そいつは、ゲリィに対してもハロウ・ロイに対してもだ」に続き、

    • リンレイという名前は言えなかった。(旧)
    • リンレイという名前はいえなかったが、感知されただろう。(新)

    些細にみえるが、アマルガンの迫水理解度にプラスと、やはり旧版の声で喋っているような印象かテレパシーかの書き分けが加筆。

    この会話の後がまた、

     迫水は、ニタリと笑うと右の手を少しばかりあげてみせた。
     アマルガンもまたそうして応じてくれた。(旧)

     迫水は、ニタリと作り笑いをして、右手を少しばかりあげてみせた。アマルガンもそうしてから、ガッシリと両肩を抱いてくれて、いってくれた。(新)

    として、完全版では、続くアマルガンの一言の台詞で章が締められる。実は、ここの「男振り」という語は、旧版の章中に迫水の心の内の気概としてあり、迫水のロマンチシズムをくり返していた。良いところだが、完全版ではそこを短く省略し、章の末尾にあらためてアマルガンから迫水へ送る言葉としている。これも、新旧比較で読んでわかる、印象を強めるところだ。

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    katkaさんの感想・レビュー
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