それで、ここも比較点があるので少し続き。わたしはまえにハロウ・ロイの場面でも言ったが、ラブシーンの読み解きについてそんなに遠慮するものではない。
リンレイの緊張する「…………」のところを、完全版では若干のテレパシー的な、言葉にならないリンンレイの意識の揺らめきのように書かれる。
リンレイの体毛……恥毛について、
- 生え始めたかすかな(旧)
- 金色の豊かな(新)
とあり、新旧で事実が違う。もっとも、旧版でも体毛が薄いことについて迫水にはそのことは知らないが、と書いてある。新旧ともに迫水にとっては柔らかく、感性に富んでいるように思える。あえて完全版で省略されていることについて言うと、以前に剃り落とされた跡だろう……。
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促音の「っ」か、有声の「つ」かは、その区別大事だと思う。思うはず。旧版では「わずかに呻いた」、完全版では「呻きは遠慮のないものだったが、」とある。喉が痙攣するように、ヒッとかヒクッとなるのは上のようだと思う。下にしても、痛みを感じたわけではないところ。
全文は完全版に共通して、やや性急に詰め込んでいく節のある新しい方の富野文体が、わたしには、ここはどうにかロマンチックよりは若干コミカルに効いているような気がする。荒っぽいが。荒っぽくも、最後に荒々しい接吻が追加してあるのでやはり完全版のほうもね、という言い方になるね。