リンレイの調達した財宝がいつまでもあるというものでもない。軍事物資を調達する官僚機構の整備も急がねばならなかった。
が、それには、機構の問題だけではなく、時も必要とされた。
穀物は、四季を経て人の刈りとりを待つものであるからだ。(旧)
リンレイの調達した財宝がつかえるあいだに、資産運用の基盤をととのえ、軍事、生活両面の物資の調達、官僚の整備も急がねばならないのだが、そもそも穀物や魚介類、畜産は一年をとおして人の刈りとりを待つものだから、季節とも相談しなければならない。(新)
軍事だけでなく軍事と生活の両面、穀物だけでなく魚介も畜産もという。とくに「異世界経済のリアリティ」については完全版の端々に新たに熱意を奮っている印象がある。憶えているところはゼラーナ号での船上生活のあらましとか……。それはこの新旧の間、90年代や00年代までの和製ファンタジーの経過などは、思いきり、異世界経済・民衆史観のような史観・世界観にどっっぷりで流行したので、旧版のそれも時代遅れになってしまって、まだまだ書き足りていなかったような気持ちは湧くのだろうと思う。
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