katka_yg
katka
2025/07/19 (土) 21:06:11
「拳銃ぐらい持ってくるのだった……」
迫水は、自分が特攻行のために拳銃一つ持って来なかったことを初めて悔やんだ。(旧)
前々章、洞窟でも同じ後悔をしているので初めてではない。完全版では削除。
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夜襲。階段を降りきらない間に闇打ちを受け返し、テーブルに飛びのった迫水の靴は滑りもしない。その体勢で剣は後に流れたままだが、それが背後の敵への牽制にもなる。最初の敵が仲間への合図の擬声を発する。その声めがけて、すかさず迫水が攻勢に移る。
敵の一瞬の隙に、テーブルを蹴って、右から左上に剣が切り払う。重い衝撃を受けて右腕が止まり、同時に(どうじに)両足が床を踏み、右で支えている柄に左手をかけ、
影が呻く。人を斬ったのか! 乱刃が舞って見える間にアマルガンが横切り、前に立つ――わたしは剣術小説の専科でもないがこの手順はかなり細かく、しかも新旧でアクション自体はほとんど違いがない。剣を入れたあと切っ先が流れるか、切っ先を引くかは、迫水の腕前の評価のちがいだろう。
直心影流の古流の稽古は無駄ではなかったらしい……。徳川時代以来の道場剣法の価値については、ここではネガティブ評価。前後になるが『ガーゼィの翼』で前回長く読んだ。「近代のスポーツ剣道からの実戦移行」について、平成の剣道少年クリスをモデルにして詳しい。そこでも登場した示現流については、旧版では「自源流」として紹介されている。
直心影流自体にわたしは詳しくていってるわけでなくて、迫水の師匠が、迫水には竹刀稽古をさせずに木刀の素振りと実戦の型だけを教えたので、古式。クリスはスポーツ発、新式。