The Duke smiled a pale and hateful smile.
このシニカルな領主はファンタジーの人物として珍しいわけではないが、リーの作品中では続きで思い出すものがある。くり返し意識的にこういう書き方を作っているから同年頃の執筆中に連想はしてるはず。
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The Duke smiled a pale and hateful smile.
このシニカルな領主はファンタジーの人物として珍しいわけではないが、リーの作品中では続きで思い出すものがある。くり返し意識的にこういう書き方を作っているから同年頃の執筆中に連想はしてるはず。
dark and paleと書かれている間は気づかないし、宮廷貴族に囲まれて空笑いしているときにも気づかないけど、ここに来て正体を表すような面白さだな。ラルドナーに似ているかというと、似てないが、clever and stupid, clever foolishとも。
もともと愛情はもってるつもりはないところにこの空虚な人物から「おまえはあの娘を愛している」と言われて、そんなわけあるか、そうではないと言いたいところをここはぐっと押さえる、という多重屈折ぶり。最初から愛はなかったのはたしかだが、この「屈折」を設けられることに意味があるかのよう。
リルーンがコーリングの術でひとの心に支配的影響を投げると同じく、ラルドナーの心にザスティスが影響を投げていたのはそれなりに同じだろう。今は、前回『The Storm Lord』からの続きで読んでいるから思い出した。