He got up, and the rain again stopped, as if in sympathy for his task.
リアは立ち上った。雨はまたやんでいる。リアのこれからの仕事をあわれんでいるかのように。
ここは、『あわれんでいる』(かわいそう)ではなく、共感魔術(呪術)的な意味で、彼の行動とその場のシチュエーション(天候)があたかも連動(共鳴)しているかのように、のこと。
本書のこだまともこ訳は、ちらちらと原文と較べ読んでいると原文に忠実でない書き変えが多く、意図を汲んで日本語に書き変えているかも少し怪しいところも点々と見受ける。だいぶラフな翻訳か。リーのジュブナイル作品にも民俗や神話伝承のような趣味が多分に盛り込まれているが、とくにオカルト的な文脈ではこの邦訳は物足りない。ただ、1983年にこの軽い読み物程度の訳に求めることでもなかったと思う。
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魔法を発動するときに、
Lilune set her doubts aside.
のように書くことは作家にとってその都度、重要だったと思うが、翻訳者は必ずしも原作者の作品歴を通して研究しているわけではないし。ここでは、わたしは逐一チェックしてもいい。毎回するとくどいけれど。