マジック・マスター
どっちかというと鈴木銀一郎著の後続シリーズ「マジック・マスター」の小説二部『赤い髪の魔女』『闇の騎士団』について今記す。「モンスターメーカー」の時代設定は「神話の時代の終わり」に置かれ、こちらはそれより数百年ほど下ってみえる。
「マジック・マスター」の世界は英雄の時代、この頃にはもう人間の世界に神々の直接関与や、魔法も炎や稲妻が飛び交うものではなくなっている。だが、この時代に姿を消した神々の存在は、人智を超えた運命としてやはり人間を支配している。その下で人々は戦う。
ケルトの英雄物語やシェイクスピアに着想しているからライトノベルだがハイな雰囲気に近い。運命の皮肉を語る話はダークファンタジーだが文体はライトでユーモラスという面白さ。それで、こうした経済史や都市の勃興などは今のトピックであるタニス・リーに書けない類の小説だろうと思う。『マジック・マスター』二部とパラディスの比較はちょうど同年代に対照的なファンタジーの方向にも見え、少々こじつけめいているが日本国内作品にこんな例もあった。
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