かとかの記憶

タニス・リー 通読 / 7

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katka_yg 2025/03/02 (日) 19:05:56 修正

Hunting the White Witch

Book 1 - Part II: The Sorcerer ここまで。2か月くらい、他に寄り道してびっくりするほど進んでいない。ここはまた、英語を読んでいる話なのに英語でコメント書くようにしたほうがいいのか……誰に向いているんだろう。

第3部になってヴァズカーがどんどん面白キャラになっていく。なんだかこのへんのいきさつは、古代ローマ頃の魔術師伝、シモン・マグスや、ルキアノスの「ペレグリーノスの昇天」だったかそんな連想をふとする。イエス・キリストの行跡を過度に誇張したようなダークヒーローみたいだ。それは、あまり気にせずにおくとして、タニス・リー作品でも「剣の戦い」が見せ場になっているのがバースグレイブシリーズは最初にして貴重な。

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  • 8
    katka_yg 2025/03/08 (土) 20:55:48 修正 >> 7

    Book 1 - Part III: The Crimson Palace まで。

    ヴァズカーの魔術については、平たい地球シリーズのダタンジャの魔術も較べて参照。ダタンジャのささやかな魔術は、見せかけのちゃちな小道具を使うことで「不思議さを相殺する」というもの。ヴァズカーの奇跡は驚異すぎる。

    が、とんでもなくスペクタクルで面白い。ヴァズカーの女性遍歴では、マルミラネットの姿態にほんとうは全然似ていないディミズダーの面影をふと浮かべるヴァズカーは痛ましい。

    9
    katka_yg 2025/03/12 (水) 20:16:17 修正 >> 8

    I remain beside the road, impervious, and with no companion.
    という言い方には Companions on the Road (1975, アヴィリスの妖杯) のタイトルを連想させるが。

    「あらすじ」のように手短に説明しがたい混沌の展開……無数の凄惨な死、生と死を超克して深い悲しみと孤独、の数行あとには独特の"ヴァズカー節"のブラックユーモアが戻ってきて、不謹慎で冒瀆的も甚だしいが妙に清々しい変な笑いが込み上げてしばらくクスクス笑いが止まらなくなる。この三部作はほんとにすごいが……ほんとに疲れる。今夜中にこの章まで読んでしまおう。

    ――Part IV: The Cloud / Book 1 終わり。