Book 1 - Part III: The Crimson Palace まで。
ヴァズカーの魔術については、平たい地球シリーズのダタンジャの魔術も較べて参照。ダタンジャのささやかな魔術は、見せかけのちゃちな小道具を使うことで「不思議さを相殺する」というもの。ヴァズカーの奇跡は驚異すぎる。
が、とんでもなくスペクタクルで面白い。ヴァズカーの女性遍歴では、マルミラネットの姿態にほんとうは全然似ていないディミズダーの面影をふと浮かべるヴァズカーは痛ましい。
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I remain beside the road, impervious, and with no companion.
という言い方には Companions on the Road (1975, アヴィリスの妖杯) のタイトルを連想させるが。
「あらすじ」のように手短に説明しがたい混沌の展開……無数の凄惨な死、生と死を超克して深い悲しみと孤独、の数行あとには独特の"ヴァズカー節"のブラックユーモアが戻ってきて、不謹慎で冒瀆的も甚だしいが妙に清々しい変な笑いが込み上げてしばらくクスクス笑いが止まらなくなる。この三部作はほんとにすごいが……ほんとに疲れる。今夜中にこの章まで読んでしまおう。
――Part IV: The Cloud / Book 1 終わり。