名前なし
2026/06/06 (土) 14:29:49
9084a@b99a4
APFSDSの解説を探すと必ず装甲を流体化する云々の話が出て来るけど、あれはただの固体の変形だし金属の塑性変形を流体的だと言うなら従来の自己破壊を伴わない徹甲弾の侵徹も装甲板を塑性変形させながら穴を開けているんだから流体として扱うことができるはずで、APFSDSの時だけ装甲を流体的に扱うのはおかしくないかと思うんだが教えて偉い人。
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APFSDSが侵徹するときの高圧環境の計算を流体力学的にシミュレートできるって話らしいですね
APFSDSがそうなのはわかるんだけど、大体どこいっても「金属の塑性変形は流体のごとく振るまう」って書いてあるから、じゃあ旧来の徹甲弾を取り扱うときだけそういう話が出てこないのはなぜ?APFSDSも旧来の徹甲弾も、装甲板を塑性変形させて穴を開けていることに変化はないよね(この認識が間違っていたら謝る)?
おっしゃる通り、単なる塑性変形ではあるんだけど、侵徹のメカニズムは違う。イメージ的にはAPは押し付けて変形させて穴をあけるんだけど、APFSDSは弾体がマッシュルーミングして先端がめくれるように変形しながら装甲を押しのけて侵徹していくので、流体的って言うのはその辺のことを言ってるのかな。APが流体的って言われないのは、別に流体的なふるまいを考えなくてもイメージできるからじゃないかな。
リンクちと長い動画だけど、参考になると思う。APFSDSの侵徹の説明は30分くらいから。これ見ると流体的って言いたくなる意味が分かると思う。
どちらも塑性変形なのはただしいが旧来型徹甲弾は砲弾は元々の形を保つんだけど、APFSDSは「砲弾も」塑性変形する。そして需要なのは「流体のごとく振るまう」は塑性変形に関してではない。では何かというと「衝突界面の圧力が材料の強度に比べて桁違いに大きくなり、強度の項を無視してよくなった状態」…詳しく言うと、砲弾が衝突時に装甲にかかる圧力½ρv²(密度×速度2乗の半分)と装甲強度Rの差が貫通可能かどうか決める。仮にAP弾を850m/sとして鋼の弾芯なら動圧は ½ × 7850 × 850² ≈ 3 GPa 程度。これは装甲鋼の侵徹抵抗(数GPaオーダー)と同じくらいなんで、装甲強度と砲弾の強度の差が貫通できるかにかなりかかわってきてしまう。一方でAPFSDS は撃速 1500〜1800 m/sでしかもタングステン合金密度が鋼の約2倍。よって動圧は ½ × 17600 × 1700² ≈ 25 GPa、これは強度(数GPa)の5〜8倍なわけだから装甲の材質の硬さの差はほぼ誤差になる…というのが「流体のように振舞う」ということ。
根本原理的にはどの材料も強度の項とせん断速度の項を持つナビエ・ストークス方程式に従うところ、従来砲弾では強度の項が支配的になって、一方でAPFSDSレベルになると↑の話で強度の項が誤差になった一方でせん断速度の項がもっとデカくなるので、振る舞いが流体に近づくって話だったよなたしか。衝撃工学の授業もっとマジメに受けておくべきだった。
補足するとAPFSDSは実際には速度域としては強度を完全に誤差にするレベルには達していない。HEATのメタルジェットが銅の流体なのに装甲を貫通できるのは強度を完全に誤差にする速度に達しているから。現時点のAPFSDSは微妙な中間地点の速度域と考えるといい。
みんなマジでありがとう。例の20916が上げてる動画は後編のユゴニオ弾性なんちゃらについての追加解説も含めて見たんだけれど、そこで金属の塑性変形を流体的だと見なして良い辺りの解説がずっと引っかかってたんだよな。なんか一定のラインを超えた速度でぶつければ装甲を流体として扱って良いみたいイメージを持っていたから、全然そういう感じじゃなくてもっと色々な要因が重なってたんだな。