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────休日の昼下がり。学校が休みのこの時間は、店の掃除をする絶好の機会だ。
平日は忙しすぎてなかなか掃除をする暇がない。当店は飲食店である。衛生的な環境を保つことには大きな意義がある。
そんなわけで、普段はあまり手を出せない場所まで掃除をする。ぱっと見は綺麗でも、隅まで見れば汚れが溜まっているものだ。こういうものがどうも気になって仕方ない。
────カランカランカラン……
『あっ────すみません、この時間はまだ開いてないんですよ』
『…………あれ?』
ドアベルの音に咄嗟に振り返り断りの文句を言うも、そこには何者の姿も無かった。
悪戯か?まぁ、無くはない話なのでまた掃除に戻った。
掃除が一段落し、2階の屋根裏部屋に上がる。この屋根裏部屋が僕の居住スペースである。狭いと言えば狭いが、あくまで個室としてみれば十分なスペースだ。
疲れたので営業が始まる夜まで仮眠でも取ろうか、そう考えてベッドに向かうと
────ベッドにかけられた布団に、人型の膨らみがあることに気づいた。
ぞっとする。まさか幽霊ということも無いだろうが……先ほどのドアベルの件を思い出し、不審者の可能性も頭を掠める。まさか強盗……?
ベッドから離れ、警察に連絡……?いや、これがただの気のせいだったら赤っ恥だ……捲ってみるしかない……?
我ながら小心に過ぎるかもしれないが、いつでも逃げられるように心構えをしながら、そっと布団を掴み────捲り上げた!
「すぅ……すぅ……」
────そこに居たのは、僕のベッドで眠る見知らぬ少女だった。薄桃色の柔らかな曲線を描く長い髪。幼い顔立ちと小さな体。いや、よくよく見れば一部は小さくない────
いやいや、何を考えているのか。とにかく、まるで人形のような愛らしい少女……ぱっと見では小学生くらいに見えるが……が、居たわけである。
どういうことだ?なぜここで寝ている?見たことは無いはずだ、やはりあの時のドアベル……あの時に侵入してたのか?家出少女?やっぱり警察?
様々な疑問が頭の中に思い浮かび、しばらくその場で固まってしまっていた。
「……んぁ……? …………ぉ~?」
そんな中、少女がゆっくりと目を開く。
こちらを見て、のそのそと気だるげに起き上がり、こちらを見上げてくる。そして────
「…………誰?」
怪訝な顔で、そう言ってのけた。
『いやこっちのセリフなんですけど!?』
思わず突っ込んでしまう。
『キミ誰!?ここ僕の家なんだけど!?さっき入ってきたのはキミ!?ここでなにしてんの!!?なんで僕の家で寝てんの!!?』
怒涛の勢いで疑問をぶつける僕。そんな僕に対し眉をひそめた少女は立ち上がり────
「うるさい」
ボコォッ!
『な……何ィ!?』
僕の鳩尾に的確に拳を入れてきたのである!
その力は少女の見た目相応のものであったが、仮にそれが小学生女児のパンチであっても全力のものが鳩尾に入れば普通の男子高校生には十分なダメージである!
僕は綺麗に膝から崩れ落ち、痛みの走る腹を抱えた。
なぜこんなことになっているのか?僕が何か悪いことをしただろうか?
いいや、何もしていない。僕は自分の家、自分の部屋でなぜか見知らぬ女の子がいることに疑問を抱いただけではないか。このような扱いを受ける謂れは何もな
「モノローグがうるさい」
ガスッ!
『な……何ィ!?』
膝から崩れ落ちている僕は顔に蹴りを食らいしたたか倒れる。
どういうこと?心が読まれてるのか?理不尽だ。涙が出てきた。
「てかお腹減った。なんかないの?」
なんだこいつ……