カオスドラマX

-深淵- 668層 / 1

10 コメント
views
1

宇宙、語れば二文字。
無数の光源、瓶に詰めた砂金を散りばめたような星空。
それらは常に存在する、ただ陽光に照らされた層というベールに見え視認できないだけだ。
だがその空間において、それらは頭上に、視認できる距離に存在した。
果のない砂漠、延々と色彩のない粒の塊が平たく続く。

延々と無彩色が広がる空間において、唯一の色彩が咲いていた。
灼熱を宿す赤が絶えず爆ぜる。それは炎熱と同じ赤の衣に身を包む少女の片手から絶えず放たれている。
少女は走りながら常に爆炎を発し続けている。小刻みに、がむしゃらに。
その足跡は視認不可能な距離から続いており、全力疾走しようものならいかな超人であろうと息の一つは切れそうなものだ。

だが少女は呼吸の乱れを微塵も感じなかった、それどころか"酸素を接種していなかった"。
しかし呼吸は成立シている、その動作だけで心臓は鼓動していた。

画像1

炎熱を向けられる対照は言うまでもなく敵だった。
しかしそれに悪意はない、殺意もない、ただ揺らめき、空間の歪みと同化し漂っている。
通用しない、尽くすり抜けていく。蜃気楼のように実態を失っては少女の目の前に再生性され続ける。

通報 ...