カオスドラマX

LAST RESORT #5 【 Vs.ティネル 】 / 42

49 コメント
views
42
名前なし 2024/06/26 (水) 19:31:02 修正

白昼夢を見た。初めは隊列が遠く、見えなくなるまで続く数え切れない数の同胞と、やがて視界に収まるほどに凡人の行軍は縮小し、いつの日か指で数えられる数まで。やがて、肩を並べて歩む同胞は存在しなくなる。

呼吸をしている自覚さえ定かでない灰を被った空の下、霞の向こうに"這って行軍を続ける人"の姿を見た。 その人が歩み始めたのは自分達より遅く、その"足"では背を越えて行くはずがない人物だった。

その人は身を以て証明していた。我々、軍属という消耗品における『尊厳』とは何か。いつの日か、勝手に希望をその人に託していた――――――――――――――――――――――――――――。
.
.
オーランド「―――――。―――――――――(瓦礫の山。永眠るには寝心地が最悪だったのか目が覚めた。五感が正常に機能せず、辛うじて敵影と味方を識別出来る程度の思考能力の中幾度なく瞼が意識を閉ざそうとする。 次、気を失えばそれは永続的なものであろうことが直感で理解できた。 故に……)」

オーランド「――――――("試作治癒血清"。本部が消し飛んだ今、確実に在庫を保証できるのはこの一品だけ。今、自分はこれを必要としている状態にある……。  本当に? ) カチャ (手に取り、空に翳したアンプルが光を放った。 否、レギュれロイドの光刃が裏から光源となっていた。 立ち向かうは、UpG2……人体において致死量に等しいエーテルを排出する装備で立ち向かう、"尊厳"の姿)」

オーランド「 刹那 (ふと、共に吹き飛ばされた同胞へ無線越しにコンタクトを図る。 返答はない、返ってくるのは冷たい沈黙のみ)―――――――――――――そうか、了解した。(床に手を這い、手繰り寄せたるは手斧型のガジェット"デリカテッセン"。 犬が誇らしげに保有していた、一本の牙)」
.
.
 ヒュ ル  … ・   ・ ・・・・……   ガ  ン ッッッ (プロペラのように高速回転する物体が空を裂く。投擲された"斧型ガジェット"、それがレギュレロイドのコアの側面、"連結部分"に突き刺さる。 騎乗者、ティネルの動きを機体へリンクさせる"神経回路"の根本へ突き刺さり、 左アームへの情報伝達を阻害した
.
.
オーランド「ヘザー隊長―――――――――――――――――――――― もし私がくたばり損なっていても、手の内にある"延命措置"を使ってください。 (無線へ、溜息混じりに掠れた声を発した。)」
.
.
―――――――――――夢を見た。将来の夢は?と聞かれても、変わらず幼少期から何も思い浮かばなかった自分がだ。
秩序を取り戻したマリマロンの浜辺に、若い内から早々に退役し、武功で勝ち取った大金で質素な家を買う。
私有地で、両腕を広げ潮風を我が身一つに受け、年甲斐もなくぐるぐるとはしゃぎ回る。
自分が繰り返したかったのは、そんな世界だったと……ようやく気付くことができた。
.
.
.
.
     「 あとは頼みます 」     .
.
.
.

通報 ...