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ガ ン ッッッ
一瞬にも満たない思考の濁流を断ち切ったのは、
眼前の敵ではなく、飛来した斧がレギュレロイドに突き刺さった金属音。
違うだろう、ヘザー・タウンゼント。
過去の記憶が濁流の様に流れ続けたのは、『切り抜ける為の手段を記憶から探し出す』為だろう。
恐れているのは負けて死ぬ事ではなく、『嘗て憧れを抱いた人間をこの手で肉塊へと変える事』だろう。
視界が現実へと戻る。突き刺さった『《箱庭略奪戦争》 』 が視界に映り、信頼する部下と、憎からず思っていた犬の身に何が起ったかを悟る。
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図面からも消した、地下室。私達しか知らない、秘密の部屋。
そこで、"完成"した日を思い起こす。
「……念押しするが、そいつの存在を知っているのは、メカニック兼副団長である俺とバンレッジ、そしてお前だけだ。他には他言無用でな」
「ここに設備がある事も、俺達3人が集まって居る事も、誰も知らない。その為の工作を徹底しているんだ、保証してやってもいい。」
「医師の俺が安全性は保障する。と言いたい所だが……ラタリア博士すらも関わらせず、貴方の骨格を置換して体内に埋め込むなんで無茶をしているんだ、元よりそのつもりではないとはいえ、多用はするなよ」
「承知の上よ。元々そのつもりで用意したんでしょうが……だいたい、この手の一発芸は、『最初の一回』が最大の効果を発揮するものでしょう?切り札として使わせて貰うわ、"確実に一人仕留める為に"」
「良く分かってるじゃあないか、敵は『ヘザー・タウンゼントの両足の機能は喪失している』という情報を持っている。だからこそ、最初の一撃が必殺の一撃に成り得るんだ」
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―――きっと、今がその時だろう。《遊撃隊》 でも無く、貴方になるとは思わなかったが。
その切り札を切るのが、イーティス・センシオンでも、
……これも、悪くは無い。
ヘザー「私には!!任務を果たし、敵を討ち果たし、守るべき者を守り……仲間の命に責任を負う"義務"があるッッ!!―――――ガッ ――シュ ゴ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ ッ ッ !!!!!」
(残った三本の鉄脚から魔力炎を噴出させ、うち一本を下に向けて上への推進力として用い、残った二本を鉄巨神のエネルギーブレードに対して下から打ち上げる様に一気に振り上げ、防ぐ―――否、真正面から打ち合う)
ガ ッギ ギ ギ ギ ッ ……!!!
(『 UpG. Ver.Ⅱ 』の出力を以てしても、強大な一撃と正面から打ち合って耐える事は難しいのか……二本の鉄脚は悲鳴を上げる様に軋み、身体はさらに血を流しながら、下方へと圧し込まれる)
ヘザー「がぶ……ぐ、ぎっ…………そ、れがァ………私の!!"正義"だ!!それを阻む『敵』を、貴様を……踏み潰し、越えてやる――――望み通りになァッッ!!!!」
(否、ただ圧し込まれるのではなく……鉄脚から放たれる噴射炎を緻密に制御し、ティネル本人の鎮座するコア、その鼻先へと"落ちながら迫る")
ヘザー「執行四脚……『 プラス・ワン 』」
ギ ュ ウ ウ ウ ウ ウ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イ イィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!!
(響き渡る駆動音と共に、動かない筈の『右脚』の膝下から爪先までが"展開"。内部から強靭な"鉄"の骨格が露わとなる。)
(ふくらはぎからはバーナーが、脛の部分からは高速回転する刃が現れ……まさしく『執行四脚』の"もう一本"として、本体たるヘザーの身体さえも振り回す様にバーナーから魔力炎のジェット噴射が放たれ、ティネルに向かって猛進。)
(その勢いで眼前のコアに鎮座するティネルを切り裂こうと、動かなかった筈の右脚から回し蹴りが放たれる!!)