この1ヶ月間、マシェリは自らの異能をひた隠す。
異能の行使は即ち心拍数上昇と血圧の増加。なにより下半身にダイレクトに響いてくる。
だが彼にとっては未知なる感覚だった。
ゆえに恐怖。その先でなにが起こるかわからない暗い憶測が広がっていた。
しかし、憶測と性欲は好奇心へと徐々にシフトする。
結果起こった惨劇────。
その日の午後。
定期的な診察のためにマシェリは、診察室へと訪れる。
ダウナーな感じの妙齢の女だ。
胸元を開きながら常に眠そうにデータに目を通し、他者からの視線も気にせず他者への関心も特にない。
静かな表情の中で、数字とグラフに取りつかれるほどの情熱を隠し持っている。
当然ながら、子供など彼女にとっては被験者にすぎない。
マシェリなど流れ作業で十分とほぼ適当に話をしたり検査機器をいじっていた。
だが、マシェリの股間は彼女を能力の対象にするよう選ぶ。
開いた胸元から除く乳白色のもっちりとした肌と、チラリと見えるブラの一部。
(いまだ!)
能力の行使と同時に、自らの体が軽くなる。
宙を飛ぶかのような錯覚に見舞われながら、マシェリのまだ小ささを残す両手は
ムニュ……────
背後からその双房を鷲掴みにした。
女の動きがピタリと止まる。空気が凍り付き、すべての時間が異界のように変質する。
マシェリは服の上からその乳房を味わった。
掌に伝わる柔らかさと張りの調和。近くで揉むことで漂う女性の香り。
揉む、撫でる、寄せる、持ち上げる、離す。
ありとあらゆる形状に変化させ、そのタイミングを見計らった。
頭でいちいち考えずとも、感覚でわかる。
どうすればこの女がより気持ち良さを感じるか。
そして
どう揉めばより効率的に能力を行き届かせ、────殺すことが出来るか。
「ぇ?」
自分の中で殺すというワードが急に出てきたことに自分で驚いた。
とっさに手を離す。しまった!と慌てた直後だった。
どさぁ
女は顔を紅潮させて、なにが起こったのかわからず困惑した表情のまま、死んでいた。