- Gray Traveller
- 468
- 471
最新トピック
738
6 時間前
Gray Traveller 6 時間前
0
1 ヶ月前
マシェリ・バスト・ダイ 1 ヶ月前
25
1 ヶ月前
双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~ アキラ√ 1 ヶ月前
31
5 ヶ月前
にしまい! 5 ヶ月前
55
8 ヶ月前
双眸 ~紺碧の哀/紅蓮の愛~(※無印併用スレ) 8 ヶ月前
2
9 ヶ月前
月の名を継いだのなら 9 ヶ月前
45
1 年前
闇の女子旅 -森林編- 1 年前
5
1 年前
ソードオフ・ポップ・ロック・メモリー 1 年前
98
1 年前
CDトースターズ カオスジェネレーション:白の時空 1 年前
8
1 年前
忘却あれ。 1 年前
31
1 年前
てすとの名は 1 年前
18
1 年前
Voyage 1 年前
4
1 年前
Café -Deux Noirs- 1 年前
2
2 年前
隙間録:たったひとりの最終決戦 2 年前
20
2 年前
師匠のグルメ 2 年前
40
2 年前
奇名組スレ 2 年前
34
2 年前
フリードラマ用トピック 2 年前
49
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.ティネル 】 2 年前
31
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.ゼフィリーヌ 】 2 年前
47
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.第0護衛兵 】 2 年前
115
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.マールーシャ 】 2 年前
48
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.魚雷ガール 2 年前
33
2 年前
LAST RESORT #5 【 Vs.サナトリー 】 2 年前
1
2 年前
AIさん誕生秘話 2 年前
43
2 年前
-Pathetic Clown's Fate- 2 年前
73
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.マカオ&ジョマ 2 年前
26
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.アルフレッド 2 年前
18
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.グワンド 2 年前
12
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.黒岩満 2 年前
89
2 年前
勇者王の試練 -失われし聖剣を求めて- 2 年前
56
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.ムスカ 2 年前
9
2 年前
ベンチ① 2 年前
24
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.シャルロッテ・クールホーン 2 年前
10
2 年前
-深淵- 668層 2 年前
23
2 年前
僕らの物語・第7章・Vs.ルナ・ドーパント 2 年前
61
3 年前
らすとりぞーと学園 3 年前
46
3 年前
ワイズ大爆笑 3 年前
15
4 年前
"K" -奴の名は- "Chapter 3" 4 年前
11
4 年前
罪業の刻印 -ブリーフィング- 4 年前
7
4 年前
ダイ・コントーンvsゼローグ 模擬戦 4 年前
7
4 年前
【日常】某国某所喫茶店【野良枠】 4 年前
30
4 年前
"K" -奴の名は- 4 年前
「新個体のカルテです」
ある日差し出された一枚の診断書。
「珍しい新個体だな。ここまで健康部位が限られているのでは保存箇所は少ない」
まだまだ幼いその写真には不釣り合いの重篤患者。
「アベリア、この個体の心身ではせいぜい延命がいいところだ」
小さな体躯に圧し掛かった、多くの代償を背負った若き命。
「儂の延命シーケンスで少しでも長く生きてもらおう」
普段通り保存し、技術として昇華する消耗品。
「……いや……」
そのはずだった。そのはずだったが、俺はその時、天秤に手を添えてしまった。
俺は、押し留める事が出来なかった。研究員としての矜持を。
「……この子の症状であれば、以前保存したアンプルの投与で完治を望めるんじゃないか?」
バカ――医師共の集う白い部屋で、俺は技術の見せ処を提示した。
この病院に於いて、届けられる患者は皆、完治を望めない憐れな存在。
だが、そんな存在達を俺達が魂ごと抽出していった結果、
その存在を救えるかもしれないという妙な希望を抱いた。
「ニゲラの意見は珍しいですね」
「では重篤治癒アンプルによる投与実験として」
「治癒シーケンスを組み立てます」
「こちらの患者の完治を目指し、途中結果を保存していきましょう」
ただの気紛れ。
だが、その意見はあっさり通った。
技術の保管は大切だが、同時に証明も俺達研究員にとって必要な行程だった。
それ故に、俺は届けられた命で実験しようとした。
命を護る実験を。
治癒被検者による疾患消滅リサーチ。
開始された日から、研究員の数人は新個体――そう呼ばれた患者の元でアンプル措置を行っていた。
元々虚弱且つ薄汚い技術の副作用を患っていたからか、アンプルによる投与後の治癒速度は決して著しくはなかった。
だが、俺達の技術の結晶は、彼によって証明される。
そう。命を維持するだけではなく、命を紡ぐ技術。
俺はそんな行為を、決して誉れを持って行っていた訳では無く、
今後金になることを理解していたからこそ、この完治を願っていた。
「……」
病室を覗いてみる。
境界線の上に、横たえられていた彼。
その表情は明るく、都市に似合わない純粋な笑みだった。
また別の日のこと、病室、扉が開いていた。
のぞき見なんて、と思ったが、俺は彼の様子を見たくて眼を挟んだ。
「……」
相変わらずの笑みを浮かべていた。
それは善良の笑みだった。
都市には存在しない、貴重な笑み。
俺は、この子が別世界から来た人なんかじゃないかって思うぐらいに、
その笑顔がたまらなく尊かった。
「……」
俺も自然と笑みを浮かべたろう。
ここの連中が、必ず彼を治してくれるだろう。
そう、俺は期待に胸を含まらせて、作業に従事した。