『都市は、あの世界じゃない』
『俺が帰りたいのは、あの世界のティダの村なんだ』
「なら、ここで再現するのは――」
『まだ理解に至っていないようだな』
『縋ってんだよ、俺は』
『希望など何処にも残っちゃいないと悟った日から』
『何度も見せられてきた希望の欠片』
『それを握りしめ、ようやく自身を未来へと送り出そうとした時に』
『ふと燃え上がる故郷への熱情』
『それさえも振りきって生きて往こうとしたってのに』
『結局俺は振り出しに戻って、全てを奪われるだけ』
『故郷にも帰る事が出来ず、拝むことさえ出来ず』
『夕日の微睡に死に往くだけ』
『誰のための戦い』
『誰のために生き』
『誰のために俺は倒れた』
『分からなくなった』
『だが、ただただ思うのは』
『俺は必ず帰らなければならない』
『あの世界に、帰らなければならない』
『声に従った俺の能力は、故郷を思うが故に出来たものだ』
『だから、都市の一部を俺の記憶に変換した』
『そんな再び叶えもしない夢を掲げた俺を、嘲笑うかのように都市はこう呼ぶ』
『里帰りと』
『お前もそうだろ、ユンフ』
『お前も、帰郷を願う一人』
『俺の成す事は、お前にとっても理解の示せるもののはずだ』
「……」
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