カオスドラマX

Gray Traveller / 625

625
わったん 2026/05/11 (月) 21:50:12 >> 623

硝煙が塊となり、割れた窓から逃げていく。
黒煙は最早視界さえ奪う暗黒であり、
手練れであっても烈火の中で立ち回る事など困難だっただろう。
生憎、俺の視点に映るのは、薄汚れた都市の空気なんかじゃなく、
帰郷を願う一人の青年のねじれた姿のみ。

画像1

結晶内部から伸ばされた掌。
それは威圧ではなく、招きにさえ思える。
俺を理解しているとでもいうかのように、里帰りは黄金色の結晶から色鮮やかな小さな結晶を出現させた。
二者の狭間で、無数の結晶片が炸裂する。

迫りくるクリスタルの結晶。
蒼。
翠。
紫。
紅。
琥珀。
罪悪を司る色達を、ガンブレードで対処していく。
細かな粒子光が周囲へ拡散し、焦げた空気へ虹色の残滓を刻んでいた。
足元では草木が焼け焦げ、黒く縮れ、火粉が断続的に爆ぜる。
熱風が瓦礫の間を吹き抜ける度、灰燼が渦を巻き、視界を薄く濁らせた。

結晶が、脈動している。
鼓動だった。
生き物のように。
あるいは、未だ燃え尽ききれていない怨念の核のように。

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