ここは、魔導騎士の候補生たちが集う学園。全国の学生伐刀者たちが集められ、その力を正しく伸ばし正しく用いるために日々切磋琢磨する。
この日、学園の校舎前はいつもと違うざわめきに満ちていた。それは登校してきた見慣れぬ男子生徒の姿が起因している。
学園の制服に身を包む彼は、注目されているのが気に入らないのか不機嫌そうな表情で歩いていた。つんつんとした黒髪とツリ目が生意気そうな印象に拍車をかけている。
そして何より注目を集めていたのがその身長の低さだった。およそ150㎝ほど────周囲の男子生徒はおろか、ほとんどの女子生徒よりも低い背は彼の幼さを何より雄弁に物語っていた。
彼の名は"ショウ"────新しくこの学園に編入してきた男子生徒。年齢は12歳で中等部1年相当だが、その伐刀者としての能力の高さを見出され高等部1年生として編入した。伐刀者ランクは"B"────驚くべき実力者だ。それらの情報は事前に通達されており、ほとんどの生徒はそれを知っていた。
だが話に聞いていただけよりも、実際に見ると明らかに子供の体躯であるからみな注目していた。
女子生徒たちは所々で「かわい~」などと言ってはしゃいだり、男子生徒たちは「おいおい、本当にあれがBランク伐刀者か?」「ガキじゃん」と疑問や嘲笑の目を向けていた。
ショウ「チッ…… (どいつもこいつも人のことをジロジロ見やがって……明らかに舐めてやがる)」
ショウは自分を見る視線にいちいち睨みを利かせながら、イラついた様子で足早に歩いていく。
通報 ...