カオスドラマX

Voyage / 15

15

「今朝のアレ見た?」「見た見た!マジやばかったって!」
「札付きの問題児ボコしてたよ」「え、でもあいつ同級だとかなり強かったよね」

帆南が教室のドアを開けると、やはりいつもとは異なる種類のざわめきがそこかしこで聞こえてくる。
すぐに仲の良い友人たちが彼女に気づき、手を振りながら呼びかけてきた。

「おは~帆南~。 ちょっと来な~」
帆南「あっ、おは~! どしたの?」
「アンタまた要らんことに首突っ込んだっしょ。転入生を校舎裏に連れ込んだって」
帆南「あ~……あは、可愛いから拉致っちゃった~みたいな?」

言い訳めいた調子で軽く返すと、友人は「アンタって本当……」と呆れたように笑って肩をすくめた。
本鈴が鳴る。クラスの生徒たちはやや慌ただしく席に着きはじめ、帆南も窓際の席に向かい着席する。

いつもならとうに静かになっているところだが、今日のクラス内にはまだ少しざわめきが残っていた。
"Bランクの幼い転入生"、"朝一番から派手な喧嘩"と、噂をするにはこれ以上ないくらいの話題が揃っているのだから無理もない。

「でもめちゃくちゃ感じ悪いんしょ?」「絶対に同じクラスになりたくねえよな~」「C組とかに入ってくれないかな?」

不意に教室のドアが開く。クラス担任の先生が入室し、教壇に立つ。

「皆さんおはようございます。えー……今日は、このクラスに新しい仲間が増えます」
帆南「――――!」

教室が一瞬で静まり返る。さっきまでのざわめきが嘘のように消え去り、生徒たちの視線は一斉にドアの方へと注がれた。

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